カメラで撮影している映像そのものをパネルで写しだす
次に、入力画像に対して周波数特性の変更をし、点広がり撮像関数の処理を行なう。まずは、超解像処理は結果として情報の密度を増加させ、従来の例えばシャープネス、エッジエンハンス処理のように映像自体に人工的に手を加えることもなく映像の精細感を向上させる。また、青空のように高域情報が少ない場合は正しい結果になるように、周波数別解析結果(どんなシーンが映っているか)に応じて処理をコントロールする仕組みも取り入れている。
ちなみに、点広がり撮像関数とはあまり聞き慣れない言葉だが、これはカメラ撮影時に生じるボケに対処するための処理の事だ。周波数特性がフラットであってもカメラの撮像ボケは必ず入ってくるため、「レゾリューションプラス2」には取り除く処理を標準で含んでいる。
「つまり、カメラで撮影した映像を再現しようとしているのではなく、カメラのレンズを通して撮影している映像そのものを、パネルで写しだそうというのが「レゾリューションプラス2」の技術なのです。」(住吉氏)
この説明でピンと来た人もいるかもしれないが、この関数はあくまでもカメラで撮影した映像に対してのみ働くものだ。このため、CGは例外となり、セル画などに相当する周波数特性を検出したときは処理を弱める仕組みになっている。
「レゾリューションプラス2」の回路を通した映像は、カメラのフォーカスの当たっている前景の高周波数の成分のみを際立たせる。低周波数の撮影時にボカしている背景はそのままになり、「手前にあるものは手前、奥のものは奥のまま」(住吉氏)という非常に奥行き感・立体感に優れた映像になるのだ。
「レゾリューションプラス2」は外部入力に対しても働くことも重要だ。例えば、プレイステーション3のように高精度にDVDをアップコンバートして入力した映像に対してもREGZAの超解像技術は全く別のアプローチから高画質化を行なう。これにより相乗効果による高画質化も狙える汎用性の高い技術となっているのだ。