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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009 第3回

知ったかは恥ずいゼ

アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【ビデオカード編】

2009年05月01日 22時00分更新

文● Jo_Kubota

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2009年 今のビデオカードのトレンドは?

現行のビデオカードは全てDirectX 10.0以上に対応

 予備知識編が終わったところで、本当の本題。今度は、ソフトウェアの面からビデオカードを見ていこう。
 Microsoftが提供する、グラフィックスを含めた統合ライブラリが「DirectX」だ。そして現在販売されているビデオカードは、AMD(ATI)もNVIDIAも、DirectX 10.0以上に対応している。よって、この点を意識する必要はほとんどない。というのも、ゲームにしろ、Windows VistaのAeroデスクトップにしろ、DirectX 9.0cにさえ対応していれば、何の支障もないからだ。

DirectX 10.1対応のデモ「ピンポン」。約3000個の球体に周囲の複数の光源からの光が映り込む

GPGPUに注目が集まる

 GPGPUとは、GPUを3D演算だけではなく、汎用目的の計算にも使おうというもの。これまで3D性能とMPEG-2などの動画再生支援がビデオカードの主な性能の目安だったが、GPGPUでは3Dゲームでの物理演算や、映像のトランスコードおよびエンコードといった分野にもGPUを活用できるようになった。NVIDIAでは一足先に「CUDA」(関連記事)で先行し、AMDも「Stream」(関連記事)で猛追している。

TMPGEnc 4.0 ExpressもNVIDIAのCUDAに対応し、トランスコード時のフィルタリング処理能力を飛躍的に高める

Radeon HD 4000シリーズユーザーなら誰でも無料で使える「ATI Avivo Video Converter」。解像度などは限られているが、手軽かつ高速に映像をトランスコードできる

NVIDIAの物理演算ライブラリ「PhysX」(フィジクスまたはフィジックス)もGPGPU(NVIDIA CUDA)で実現したテクノロジーの一つ。写真はPhysXをふんだんに活用しているアクションゲーム「Mirror's Edge」1シーン。左がPhysX無効、右が有効時の画面だ

 PhysXの効果は動画で確認したほうがわかりやすい。PhysXを有効にすると、ガラスの飛散表現などがよりリアルになる。PhysXを無効にしてしまうと、かなり表現が貧相になってしまい、もの足りなさが残る。建物から飛び出し、屋根を通過する際、ガラス破片の数が格段に違うことがわかる。

PhysX ON

PhysX OFF

マルチGPU環境

 NVIDIAのGeForceで構築可能な「SLI」、AMDのRadeonで構築可能な「CrossFireX」。どちらも2枚以上の同じカードを差すことで性能をスケーラブルに向上させようという技術だ。基本的にミドルレンジ以降のビデオカードなら対応している。
 当然ながら、同じカードを複数差すためには、それに応じた拡張スロットが必要となるほか、ハイエンドなビデオカードを使うほど電源容量が厳しくなっていくので、普通は考慮する必要はない。現在のビデオカードは、シングルカードでもかなり高性能であり、それ以上必要となるのは、30インチ超クラスの液晶ディスプレイを使う人くらいである。

SLI、CorssFireXは2枚以上のビデオカードを差して性能を向上させる。写真は、GeForce 9800 GX2を2枚差して「Quad SLI」を構築した例

(次ページへ続く)

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