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コース監視システムや場内放送システムをすべてHD化!

鈴鹿サーキットがHD映像ソリューションを導入

2009年05月13日 09時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

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サーキットもHD化!

 鈴鹿サーキットと言えば、難攻不落のレイアウトとして世界的に知られている。日本最古の国際格式サーキットであり、F1や鈴鹿8耐といった世界最高峰のモータースポーツが開催される場所である。そんな伝統と格式あるサーキットだが、それゆえサーキットの老朽化や設備の古さといった問題を抱えていた。しかし、2009年にF1が鈴鹿サーキットで再開されることもあり、2008年9月から全面改装工事が始まっていたのだった。

 1年半にわたる改装工事も終了し、今年4月12日にリニューアルオープンした鈴鹿サーキット。今年のF1日本GPは、このリニューアルした鈴鹿サーキットで行なわれることはご存じの方も多いだろう。コースは東コースのみの改装だったが、ピットビルや観戦スタンドが一新され、野球場やサッカースタジアムのように近代的な施設へと生まれ変わった。

ピットビルのすぐ近くにヘリポートが設置され、万が一の大事故でも迅速に出動できるようになった

チームのスタッフが利用するチームオフィスも改築された

ピットビル(左側)は建て直され、スタッフが機材の搬入をしやすくなった。ピットに設置されているティスプレーも、一部を除き、ソニーの「BRAVIA」が採用されている

 この改装に伴い、コース上に点在する監視カメラと、管制室やプレスルーム、ピットに設置されるモニターがすべてHD化されたのである。サーキットのHD化はどのような恩恵をもたらすのか? 特別に管制室を取材させてもらった。

HD化の理由

 サーキットオープン当初からブラウン管、液晶とディスプレーは時代に合わせて進化してきた。今、世の中のテレビ(モニター)の流れはHDとデジタル化である。今後、長く使っていくことを考えて、改装するタイミングでカメラとモニターをすべてHDモデルに変更したという。なお、鈴鹿サーキットとソニーはパートナーシップを結んでおり、今回新たに設置されたものは、ソニー製のカメラとモニター(BRAVIA、一部業務用モニター有)が採用されている。

レース中はこのように多くのモニターで広大な鈴鹿サーキットを監視している

レース車両に装着されている計測器から、どのクルマが何秒で1周したかがすぐにモニターに表示される

HD化のメリット

 カメラとモニターが高解像度になったことで、今まで以上にシビアで正確なジャッジができるようになった。 今までは、同じようなボディーとカラーリングだった場合、ゼッケンで判別していたのだが、カメラの奥に写っているとゼッケン番号ですら判別が難しかった。しかし、コースに設置された合計39台のHDカメラとモニターによって、ジャンプスタート(フライング)やクラッシュの判定がしやすくなったのはもちろん、観客がレースを鑑賞する大型モニターにもクリアな映像を流すことができるようになったのである。なお、カメラの映像はHDDにリアルタイムで録画され、カメラ1台あたり約30時間(実測)の記録ができるようになっている。

ストレートはもちろん、ピットやピットレーンにもカメラが設置されている。HD化により、ズームした場合でもかなり鮮明な画像になっている

何かあったときのために、ほとんど死角がないように監視カメラが設置されている

イベントの状況もモニタリングすることができる

録画されたデータはこのように専用機でチェックする

 今回のハイテク化に、鈴鹿サーキット広報部は「ジャッジも事故も、より細かい状況を把握できるようになった。今まで以上にスポーツのルールを尊重した競技が成立するようになり、選手たちもより平等に戦えるようになったと思います。お客様にもクリアな画質で臨場感のあるレースを楽しんでもらえるようになりました」とコメントしている。

プレスルームのモニターも、HD化のおかげで見やすくなり、もちろん取材もしやすくなった

ホームストレート、メインスタンド前にあるカメラ。左右にひとつづつ設置されているのがわかるだろうか

カメラ全体をすっぽりとカバーが覆うことによって、全天候型になった。なんとワイパーも付いているので、雨が降っても見えなくなることはないのだ。カメラの向きやズームなどは、すべて管制室から特注コントローラーによる操作が可能

 安全性、快適性、利便性を兼ねた場内カメラとモニターのHD化。モータースポーツを見る人も、スポーツ走行でサーキットを走る人も、新生鈴鹿サーキットに行く機会があったら、チェックしてみてほしい。

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