Optimized IE8って、儲かるの?
ここでちょっと下世話な発想として、「共同プロモーションというからには、どちらかが金銭等を支払っているのでは? これって、儲かるの?」と考えるかもしれないが、さにあらず。
マイクロソフト広報に確認したところ、協業に当たってはマイクロソフト側も参加企業(ブランド)側も金銭的なやりとりは発生していないという。マイクロソフト側はIE8のカスタマイズ版が各社からリリースされることで、数ヵ月以内に予定されている“自動更新”(Microsoft UpdateやWindows Update)の前に普及が見込めるほか、話題作りにもなる。参加企業は、前述のように自社サイト/サービスへの誘導を図る狙いがある、というわけだ。
では、どうやってIE8をカスタマイズしているのだろうか? その鍵は「IEAK」にある。
Optimized IE8って、どうやって実現してるの?
IEAKとは「Windows Internet Explorer Administration Kit」の略で、IEのインストール時に初期設定を変更したり、お気に入りや検索サイト、RSSフィードなどをカスタマイズできるという管理者向けツール。IE4から無償提供されている。
IE8では、機能を追加・拡張する“アドオン”や、Webサイトの一部を切り出してブラウザーのメニュー領域に登録する“Webスライス”、Webページの特定単語を右クリックで検索できる“アクセラレータ機能”などが、IE7から追加されている。IEAKでは、アドオンをIE8本体と同時にセットアップすることはできないが、Webスライスやアクセラレータ機能などを各社のサイト/サービスに対応させることは可能だ(アドオンを同梱して配布することはできる)。さらに、すでにIE8をインストール済みの環境に、カスタマイズ版のIE8を上書きインストールすることもできる。
IEAKではIE本体(Webブラウザーとしての機能)を改変することはできないため、アドオンなど別プログラムを除いて、ユーザーサポートはマイクロソフト側で行なわれる。ただし、カスタマイズ版IE8は参加企業側で配布する必要がある(配信サーバーやダウンロードページ等を用意する)。マイクロソフト側ではIE8の公式サイトで、ユーザー向けにカスタマイズ版IE8の情報を発信している。
ちなみに、IEAKを使ってもIE8のデザイン周り(いわゆるスキン)は変更できない。これについては参加企業からもリクエストが寄せられているため、今後の検討課題にしているとのことだ。
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この共同プロモーションは、3月20日の配布開始から2ヵ月間の予定で行なわる。IEAKには日本語マニュアル等も用意されているので、自社製品/サービスのプロモーション手段のとして、ひとつ検討してみてはいかがだろうか。