なぜ競合のgooやYahoo!からIE8が出てくるの?
3月20日に公開された、マイクロソフトのWebブラウザー最新版「Internet Explorer 8」(以下、IE8)。すでに使い始めている人もいるだろう(関連記事)。
そのIE8がリリースされて以来、「■▲版IE8をリリース」というニュースが連日届いている。これは「Optimized IE8」と呼ばれる、マイクロソフトと提携各社との共同プロモーションだ。
こうしたプロモーション活動はIE7のリリース時から本格的に行なわれ、Yahoo!やGoogle版のIE7も発表されている。もっとも、いまやGoogleは自身でWebブラウザー「Google Chrome」をリリースしているためか、IE8のプロモーションには今のところ参加していない。
Optimized IE8に参加している企業(ブランド)は以下の8社・者(2009年4月2日現在、50音順)。ただし、すべてがリリース済みというわけではなく、今後のリリース予定も含まれる。
- goo(NTTレゾナント)
- MSN
- Weblio(オンライン辞書ポータルサービス)
- Yahoo! JAPAN
- 価格.com
- ドワンゴ(ニコニコ動画)
- ニフティ(@nifty)
- リクルート
マイクロソフト自身が運営するポータルサイト“MSN”と、その競合とも言える“goo”や“Yahoo! JAPAN”が、IE8の共同プロモーションに乗っかるなんて「呉越同舟」と思われるかもしれないが、それには理由がある。
Optimized IE8では、起動直後に表示されるWebサイト「ホームページ」や、初期設定の検索エンジンなどのカスタマイズを行なった状態で配布できる。Live SearchではなくgooやYahoo!検索、あるいは指定したサイト内の記事検索や用語辞典に変えてもいい。つまり、自社サイト(サービス)への誘導を効果的に行なえるわけだ。Webブラウザーは今やPCと切っても切り離せない最重要アプリであり、PCを使う=Webブラウザーを使うと言っても過言ではない。これなら競合他社のアプリのプロモーションであろうとも参加・協力する企業が出てきても、おかしくはない。