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「さらなるパーソナライズで生活のハブになる」

iモード10周年を当事者が語り尽くす

2009年03月31日 15時00分更新

文● 高橋暁子

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「人に伝えること」はベーシックな欲求

 サービス開始時点のiモード対応端末はF501iの1種類のみだった。最初はその端末が気に入った人しかiモードユーザーになれなかった。そのため、スタートからいきなりiモードのユーザーが増えたわけではない。しかし、「対応端末が揃ってくるに連れて、iモード契約数も加速して増えていった」と原田氏は述べる。

過去10年のiモードを振り返る資料の中で、右肩上がりで伸びているものが多いことに驚かされた。いまでこそ当たり前になっているデコメールやおサイフケータイなども、ドコモが最初に実現したサービスだ

 iモード開始時のCMでは広末涼子を登場させ、「ケータイで銀行振り込みができる」などと様々な新機能をうたっていた。しかし、「最初から誰もが振り込み機能を使うとは思っていなかった」と原田氏は言う。あくまで「こんなこともできるのか、という驚きをユーザーに与えるためのCM」だったというわけだ。

 そんな中、最初からユーザーに広く使われたのはやはり「メール」だ。ユーザーが一気に増え、あまりの通信量にサーバーがおかしくなったこともあるくらい、想定以上に使われた。「人に何かを伝えることはベーシックな欲求であり、みんながやりたいこと。メールは慣れると毎日使うようになる。そういう意味ではiモードに慣れてもらうためのいいきっかけだった」(原田氏)。

これまでドコモが実現してきたケータイサービス一覧。1999年の8月に「ショートメール」としてスタートしたメールサービスは、2008年にはアニメのように動く「デコメアニメ」まで進化。また、すでに2MBまでの動画や静止画のアップロードが可能となっており、ケータイで動画を見るのが当たり前になりつつある

 iモードをスタートさせ、端末が増え、ユーザーも増えて、軌道に乗ってきた。すべての数字が右肩上がりとなってきたある頃から、NTTドコモ内で「iモードをドコモの中心にしよう」という動きが出始めた。すべての端末にiモードを載せ、ユーザーの増加に合わせてリソースを割き、積極的にCMを展開するなどマーケティングの中心をiモードが位置するようになっていった。

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