いよいよ各種ミリタリーイベントのシーズンがやってきた
いよいよ春の到来、今年のミリタリーイベントシーズンが本格化する季節だ。特に艦船の撮影には持ってこいのシーズンだ。潮風も心地よく、重たい機材も心なしか軽く感じられる。
そんな春の日の撮影に選んだ被写体は「ひゅうが」。海上自衛隊所属のヘリコプター搭載護衛艦で、3月18日に就役したばかりの最新鋭護衛艦だ。今回はその「ひゅうが」をテーマに、港での艦船撮影に最適なレンズと装備について紹介したい。「ひゅうが」のみならず艦船の一般公開で撮影を考えている人はぜひ参考にして欲しい。
なお、今回の記事は、APS-Cサイズ撮像素子搭載一眼レフでの撮影を前提としていることをあらかじめお断りしておく。
準備編 港でのフネ撮りに必要なレンズはこれだ!
「艦船撮影」と言っても、撮影シチュエーションが洋上とは限らない。目的の艦船が港内に係留されていて、撮影ロケーションを自由に選べないという場合も多い。今回は港内での写真撮影という、シチュエーション的に頻度の高いケースに合うレンズは何かを考えてみたい。
本記事で題材に選んだ「ひゅうが」は横浜のIHIマリンユナイテッドの事業所内部での撮影ということで、撮影できる場所や範囲、時間に制限があった。その点、実際の艦船の一般公開と条件は近いと言える。
そして被写体の「ひゅうが」は、「ヘリコプター搭載護衛艦」という艦種であるが、今までのヘリコプター搭載護衛艦を遙かに上回る基準排水量1万3950t、全長197m、幅33mというサイズだ。かなりの大きさであり、間近で見ればフネというより「デカイ箱」としか見えない。また、ヘリコプター離発着用甲板があるため艦橋は右舷寄りにあり、正面から見た姿はシンメトリーではない。
この条件で持って行くレンズを考えてみたい。飛行機や鉄道、車といった被写体に比べ、一瞬のシャッターチャンスを狙う可能性は少なく、カラフルな塗装やガラスなど反射する部分も少ない。ポイントは思い描いた構図に見合った画角を得られるかではないだろうか。
(次ページへ続く)