今回は短時間なら列から離れても大丈夫だったため、あたたかい缶コーヒーを買ってくる余裕もあった |
その後は動きがないまま時間が過ぎていった。12月ということで、深夜は極寒である。我々は寒さに打ち震えながら、時に暖かいコーヒーを飲み、時にホクホクの豚丼を頬張りながら、さまざまなことを語り合って寒さをごまかした。
缶コーヒーだけでは寒さに対抗できず、最後には豚丼をテイクアウトして頬張る |
その間にも、他の地域の量販店などが次々に在庫数オーバーで列を打ち切っている、という情報がウェブで流れている。そのたびに「いや~、ホント、有楽町に来てよかったですよ」と胸をなでおろすホカムラ。一方のシミズは、この日のために手に入れたという“ビックカメラ Suicaカード”(しかも本カードが間に合わずに仮カード)が、店頭のレジで使えるのかを心配し、手にしていた『ニンテンドー DS』のチャット機能で周囲の人たちに大丈夫かどうかを聞いていたりする。
『ニンテンドー DS』で周囲の人たちとチャットをし始めたシミズ |
そんなこんなで4時20分になった頃、“Wii購入シート”を配るというアナウンスがなされた。「やった、整理券が配布される! これで寒空の下から開放されるぞ!!」と喜んだのだが……。
よくわからないものが配られる
我々は店員のアナウンスを聞くうちに、Wii購入シートは整理券とはやや違うものであることに気がついた。整理券は一般的に、券を入手すれば並ばなくても後で券と引き換えに製品を購入できる、というものだと理解している。だが、Wii購入シートはそれと引き合えにWiiを購入できるものではあるが、後で引き換えするのではなく、あくまで列に並んでいなければ無効になってしまう券、とのことだ。
“Wii購入シート”を配り始める店員たち |
この話を聞いて、我々は「がっかりした」というよりも、「ではWii割込み防止シートと何が違うのか」ということに興味をもった。謎である。刺激の少ない環境におかれた我々の中では、Wii購入シートなるものへの興味が膨らんでゆく。寒空の下でWii購入シートが配られるのをひたすら待つ。
配られた“Wii購入シート” |
数分後に配られたWii購入シートには、Wii本体をはじめソフトや周辺機器などの名前が列記されており、購入したいものにチェックを付けるようになっている。つまり、あらかじめこれに買いたいものをチェックしておけばレジで悩みながら注文する必要がない。つまりレジの通過が迅速に行なえるわけである。細かいことのように思えるかもしれないが、我々はこれの有難みを後々噛み締めることになる。