基本機能がほとんど同じなので使い勝手そのものはF30と変わりなく、撮影画像に関しても同社ならではの明るくて彩度が高い発色はなかなかのもの。自動露出やホワイトバランスなど、ほとんどの場合でぴったりと決まるのは同社ならではだ。
サンプル1 鮮やかでくっきりとした発色はFinePixシリーズならでは。細部もシャープ感のある仕上がりとなっている。元画像は2848×2136ドット、絞り優先オート、シャッター速度1/170秒、F8.0、ISO 100。640×460ドットにリサイズおよびトリミングしている以外の画像補正はかけていない。 |
もうひとつの新機能である赤外線通信による画像転送・印刷機能も面白い。IrSimpleは従来のIrDA赤外線転送方式に比べて4~10倍の速度を実現するという高速転送方式で、プリンターや携帯電話機などへのデータ転送のためにプロトコル(手順)が最適化されたもの。1枚あたり1MBを軽く超えるようになったデジタルカメラ画像を転送する際は、従来の赤外線転送(IrDA)では10~20秒かかってしまい、その間は赤外線受光部からずらさないように保持する必要があるなど使い勝手がいいとは言えなかった。
IrSimple対応のプリンターで出力してみた。“送信”すれば5~6秒でデータが転送して印刷開始されるのはなかなか快適。 |
実際に対応プリンターに印刷してみたところ、1枚印刷するためにわずか5~6秒の転送時間で済んで、転送に待たされるという意識はほとんどなかった。カメラからの印刷手順にしても、再生時のメニューから“赤外線通信”を選んで“送信”を押すだけと文字通りシンプル。インクジェット複合機など対応するプリンターも増えてきていることを考えれば、今後はダイレクトプリントにおける赤外線通信の需要も増えてきそうだ。
サンプル2 マクロは最短5cmまで近接可能。ややシャープネスがきつめの印象はあるもののきっちりとした印象となった。プログラムAE、シャッター速度1/300秒、F7.1。 |
F30は高感度による手ぶれ防止など、スナップ機として手ごろな機能とサイズにまとまった製品で、絞り優先/シャッター速度優先撮影もできるなど使いでがあるモデルだ。今回のFinePix F31fdはさらに顔認識機能を搭載したことにより、スナップカメラとしての完成度がいっそう高まったと言えるだろう。
サンプル3 最高感度であるISO 3200での撮影ではやはりノイズが多めとなる。とはいえ夜景でもなんとか手持ち撮影できる程度のシャッター速度で撮れるのはありがたい。プログラムAE、シャッター速度1/10秒、F2.8、ISO 3200。 |
FinePix F31fdの主なスペック | |
製品名 | FinePix F31fd |
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撮像素子 | 有効630万画素、1/1.7インチスーパーCCD ハニカムVI HR |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=8.0~24.0mm(35mmフィルムカメラ換算時:36~108mm)、F2.8~5 |
静止画撮影 | 最大2848×2136ドット |
ISO感度 | オート、ISO 100/200/400/800/1600/3200相当 |
動画撮影 | 640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式) |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT(約23万画素) |
記録メディア | 内蔵26MBフラッシュメモリー、xDピクチャーカード |
インターフェース | USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプター別売)、IrSimple |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(NP-95) |
撮影可能枚数 | 約580枚(CIPA準拠) |
本体サイズ | 約92.7(W)×27.8(D)×高さ56.7(H)mm |
重さ | 約155g(本体のみ)/195g(装備重量) |