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FinePix S6000fd

FinePix S6000fd

2006年09月04日 21時33分更新

文● 行正 和義

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 本機の売りのひとつである高感度撮影では、最高ISO 3200という超高感度での撮影可能だ。最近のデジタルカメラ製品の多くがISO 1000やそれ以上の感度域を採用し、もっぱら暗所でもシャッター速度が落ちない=手ぶれしにくいことを謳っているが、撮像素子の特性上、高感度ではノイズが増えて画像がざらついてしまう。このため、多くのデジタルカメラではISO 1000ともなれば常用するのがためらわれ、あくまでも夜間にフラッシュを炊けないシーンでの緊急用途的なものであった。

サンプルその1 アップ
28mmの広角レンズでは周辺画像の劣化など描写が弱くなりがちだが、広角側で撮影した場合でも中央部から周辺部の劣化も少なく大径レンズの描写力は高いようだ。広角側で撮影、絞り優先AE、1/160秒、F8.0、ISO 100。元画像は2848×2136ドットで、掲載画像はそれぞれ640×480ドットへリサイズおよびトリミングしているが、それ以外の画像処理は行っていない。

 今の高感度ブーム以前から富士写真フイルムでは高感度域でのノイズを抑えるという課題を撮像素子レベルで開発・追求していただけあって、ISO 800前後ではざらつきは極めて少なく、ISO 1600でもほとんどノイズが目立たない(本機ではISO 100/200/400/800/1600/3200が設定可能だが、試作機でレビューしたため最高感度であるISO 3200の結果は掲載していない)。もちろん十分な明るさがあるなど手ぶれの心配がなければ低感度で撮影したほうがいいのだが、高感度域でもかなり実用になるのは確かだ。もちろん、これで本機にも光学式手ぶれ補正が載れば鬼に金棒だが、光学式手ぶれ補正がなくても高感度撮影による高速シャッターで十分実用に耐える、というのが使ってみた率直な印象だ。

サンプルその2 アップ
広角からの10.7倍ズームの使い勝手は高く、さまざまなシーンに対応できるの。絞り優先AE、1/420秒、F4.5、ISO 100。広角側で撮影。
サンプルその3 アップ
Sample02と同じアングルで中央やや右を望遠側で撮影したもの最大望遠でも描写力が落ちてないのもレンズの素性のよさが分かる。絞り優先AE、1/170秒、F4.9、ISO 100。

 EVF+高倍率ズームレンズを装備するデジタルカメラ製品は、ほとんどのメーカーがラインナップしている(キヤノンの「PowerShot S3 IS」やオリンパスの「CAMEDIA SP-510UZ」など)。だが、多くの製品はまだコンパクトさを意識してグリップやレンズ口径などサイズを抑えがちで、携帯性は確かに上がっているもののホールド性などでは一眼レフデジタルカメラに及ばない点があった。それに対して本機は一眼レフデジタルカメラさながらの使い方をメイン据えていることもあって、余裕あるボディーや操作部を持つのは大きな利点だ。デジタル一眼レフカメラとEVF搭載デジタルカメラは決してイコールな存在ではないものの、広角から望遠までカバーできるレンズを持ち、風景からポートレート、運動会のスナップまで幅広く対応できる。実売6万円という価格も機能面でも、コンパクトカメラから卒業して一眼レフにステップアップする入門機として導入するのに手ごろな1台と言えるだろう。

サンプルその4 アップ
高感度撮影ではやはりノイズは多めになり、ざらついた印象になる。リサイズなどでノイズは目立たなくなるものの、ノイズ低減処理のためシャープさが失われる。プログラムオート、シャッター速度1/320秒、F3.7、ISO1600。
FinePix S6000fdの主なスペック
製品名 FinePix S6000fd
撮像素子 有効903万画素1/1.7インチスーパーCCDハニカムHR
レンズ 光学10.7倍ズーム、f=6.2~66.7mm(35mmフィルムカメラ換算時:28~300mm相当)、F2.8~4.9
静止画撮影 最大2848×2136ドット
動画撮影 最大640×480ドット/30fps、AVI形式(MotionJPEG圧縮、DCF準拠)
液晶ディスプレー 2.5インチTFT(約23万5000画素)
電子ビューファインダー 0.33インチ低温ポリシリコンTFT(約11万5000画素)
記録メディア xDピクチャーカード、内蔵約10MBメモリー
電源 単3電池×4(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池対応)
インターフェース USB 2.0、アクセサリシュー、AV出力
本体サイズ 130.7(W)×119.5(D)×97.2(H)mm
重さ 約570g(本体のみ)/約660g(装備重量)

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