企業クライアントとしての運用性を考えた新機能もいくつか用意されている。そのひとつが、コマンドラインの“ximage”で、セキュアーな状態のディスクを圧縮してイメージ化し、ネット経由やDVD-ROMなどで複数のクライアントマシンに配布することができる。作成したイメージファイルの拡張子は“.wim”になる。
Windows Serverの「BDD」というツールを利用すると、このWIMファイルに追加アプリケーションやパッチなどを追加して自動インストールすることができる。Active Directoryと連携させれば、部門単位などで必要なアプリケーション構成を選んで、Windows Vistaを一括インストールすることなども可能になる。差分を追加できるため、最新パッチなどが新たに追加された際などにもイメージファイルを作成し直す必要がない。
これは企業導入に便利な機能だが、コンシューマー製品にもほぼ同じ仕組みを用いた“オートマティックバックアップ”と呼ばれる機能が搭載されるという。
ximage | イメージ化したディスク |
イメージにアプリケーションを追加したところ | クライアントで配布された起動ディスクを実行したところ |
セキュリティーを重視する機能では、USBメモリーなどの外部記憶メディアにパソコンのデータをコピーさせたくない場合もあるだろう。Windows XPでもレジストリー操作で、USBメモリーを認識させないようにできたが、Vistaでは専用の管理画面が用意され、より簡単に設定できるようになっている。
USBメモリーを利用できないようにしているところ | 起動画面。認証デバイスの挿入が要求されている |
また、ラップトップパソコンなどが盗難にあった際に、中の情報を守れる機能も追加されている。パソコン起動時に認証キー(USBキーなど)の有無を判定し、ない場合にはOSを起動させない仕組みも導入されている。