ソニー、2005年秋冬モデルのVAIOノート新製品を発表――より薄く、軽くなったモバイルノート“type T”登場！

VAIO type BX『VGN-BX90PS1』Bluetoothヘッドセット付属

ビジネスユーザー向けに特化した機能を備えた、新しいノートパソコンが“VAIO type BX”シリーズである。2005年春モデルで登場した“VAIO type B”シリーズは、スタイリッシュなデザインと充実したスペックでビジネスユーザーに人気のあった“バイオノートZ”シリーズをベースに、VAIO専用のAVアプリケーションを省くといった、いわばマイナーチェンジを施した製品であった。しかし新しいBXシリーズでは、最近のビジネスノートに求められるセキュリティー機能などを搭載するなど、よりビジネスユースに適した製品となっている。

BXシリーズの側面は内側に傾いた形状で、パネルを閉じるとシグマの文字に似た形状になることから、シグマフォルムデザインと称される

“シグマフォルムデザイン”と名付けられた外観は、パネルを閉じた側面の形状が、ちょうど“シグマ”の字形に似た形状をとるようにデザインされている。これは単に美観だけでなく、側面インターフェースの位置を視認しやすいという利点も備えるという。天面と底面には、強度の高いマグネシウム合金製のパネルを採用している。

BXのパネル上部に装備されたCCDカメラ。昔のバイオC1のものとは異なり、自分撮り専用に固定されている

BXシリーズの外観上の特徴には、液晶ディスプレー部分の上に付けられたCCDカメラも挙げられる(装備しないモデルもあり)。これはビデオチャット用に用意されたもので、自分撮り用にフレームは固定、画素数も31万画素となっている。これにBluetoothヘッドセット(付属またはオプション)を組み合わせると、ハンズフリーでのビデオチャットが可能になる。またキーボード手前に装備されたタッチパッドに加えて、キーボード中央にスティックポインターを搭載。どちらでも同時に利用可能となっている。さらにパームレスト左側には、FeliCaポートも搭載している。同社では法人向けモデルということで、FeliCaを活用したユーザー認証や勤怠管理ソリューションも提案するとしている。

BXの付属品のほか、単体でも販売されるソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)のBluetoothヘッドセット『Akono HBH-608』

指紋認証ログオン＆TPMセキュリティーチップによる暗号化

最近のビジネスユース向けノートパソコンでは、パスワードの代わりに指紋認証機能を利用したり、よりセキュアな暗号化を実現するセキュリティー機能チップを搭載したものが増えている。BXシリーズもこれにならい、キーボード右上に指紋認証用センサーを搭載している。指紋認証機能はWindows XPのログインパスワードだけでなく、本体の電源投入時や休止状態からの復帰のパワーオンパスワード、HDD自体を保護するHDDパスワードの入力に利用でき、一度の認証でこれらを自動的に解除することが可能となっている。またセキュリティー機能チップとして、TPM(Trusted Platform Module)1.1bに準拠したセキュリティーチップを搭載しており、HDDの暗号化に使用する暗号化キーなどをチップ内に保存することで、より破られにくい暗号処理を実現するとしている。

そのほかにVAIOノートとしては珍しいハードウェア面の特徴としては、本体左側面に交換可能なベイ“マルチベイ”を搭載している点も挙げられる。ベイに装着できるユニットとしては、光ディスクドライブユニットのほか、付属のウェイトセーバーやオプションの80GB HDDユニット、2.5インチパラレルATA HDD装着用の“ハードディスクベイアダプター”などが用意されている。さらにBXシリーズ専用のドッキングステーション『VGP-PRBX1』(予想実売価格3万5000円前後)にもマルチベイが用意されていて、本体と同じベイオプションを装着可能となっている。たとえばドッキングステーション側に光ディスクドライブを装着し、本体側にはウェイトセーバーを装着して軽くする、という使い方が考えられるだろう。ちなみに本体サイズは幅317×奥行き263.7×高さ33mm、重量はウェイトセーバー装着時で約2.3kgとなっている。

BXシリーズのベイに装着する光ディスクドライブユニット。購入時付属品のDVDスーパーマルチドライブのほかに、CD-RW/DVDドライブやDVD±RWドライブなどがオプションで提供される		BXシリーズ専用ドッキングステーション『VGP-PRBX1』。各種インターフェースやマルチベイに加えて、セカンドバッテリー用の充電機構も備えている

パソコン部分のスペックも充実している。ハイエンド構成の『VGN-BX90PS1』の場合、CPUにはPentium M 760-2GHzを搭載し、チップセットにIntel 915PM Express、グラフィックスチップとしてはMOBILITY RADEON X700を搭載している。液晶パネルには14.1インチの1400×1050ドットの高解像度のパネルを搭載する。コンポーネントのバリエーションを見ると、まずCPUはPentium M 760以外に、Pentium M 740-1.73GHzとCeleron M 370-1.5GHzの計3タイプが用意される。液晶パネルも1400×1050ドットと1024×768ドットの解像度が用意され、さらにそれぞれのパネルにノーマルタイプと光沢のある表面パネルを使ったクリアブラックLEタイプがあるなど、計4タイプが用意されている。内蔵HDDはシリアルATA 40GB～120GBの計5タイプ、グラフィックスチップはMOBILITY RADEON X700かIntel 915GM Expressチップセットの内蔵機能の2タイプとなっている。bizモデルでは固定スペックの6モデルが用意されるが、オーナーメイドモデルならば、これらのコンポーネントを自由に選択できる。またbizモデル、オーナーメイドモデルのいずれも、VAIO専用のAVアプリケーションの有無を選択可能となっている。バッテリー駆動時間は約2時間(JEITA測定法1.1、BX90PS1の場合)とされている。

インターフェース類としては、10/100/1000BASE-T LAN、USB 2.0×3、i.LINK、外部アナログディスプレー出力端子、メモリースティックスロット(Duoサイズ、PRO対応)、SDカード/MMCスロットなどを備える。また全機種が標準でIEEE 802.11b/g無線LAN機能を搭載している。想定価格は、オーナーメイドモデルでOSにWindows XP Professionalを搭載する『VGN-BX90PS』が11万円から、Windows XP Home Editionを搭載する『VGN-BX90S』が10万円からとなっている。

VAIO type BX(bizモデル)の主なスペック

VGN-BX90PS1

Pentium M 760-2GHz/512MBメモリー/MOBILITY RADEON X700/60GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/14.1インチ液晶ディスプレー 1400×1050ドット/IEEE 802.11a/b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定

VGN-BX90PS2

Pentium M 740-1.73GHz/512MBメモリー/Intel 915GM Express内蔵グラフィックス/40GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/14.1インチ液晶ディスプレー 1400×1050ドット/IEEE 802.11b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定

VGN-BX90PS3

Pentium M 740-1.73GHz/512MBメモリー/Intel 915GM Express内蔵グラフィックス/40GB HDD/CD-RW/DVDドライブ/14.1インチ液晶ディスプレー 1024×768ドット/IEEE 802.11b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定

VGN-BX90PS4

Pentium M 740-1.73GHz/256MBメモリー/Intel 915GM Express内蔵グラフィックス/40GB HDD/CD-RW/DVDドライブ/14.1インチ液晶ディスプレー 1024×768ドット/IEEE 802.11b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定

VGN-BX90PS5

Celeron M 370-1.50GHz/256MBメモリー/Intel 915GM Express内蔵グラフィックス/40GB HDD/CD-RW/DVDドライブ/14.1インチ液晶ディスプレー 1024×768ドット/IEEE 802.11b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定

VGN-BX90PS6

Celeron M 370-1.50GHz/256MBメモリー/Intel 915GM Express内蔵グラフィックス/40GB HDD/光ディスクドライブなし/14.1インチ液晶ディスプレー 1024×768ドット/IEEE 802.11b/g/Windows XP Professional SP2

10月17日発売予定