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【最新パーツ性能チェック Vol.35】シングルコアの最高峰も渡さない!? 動作周波数2.8GHzの「Athlon 64 FX-57」の威力は?

2005年06月28日 14時30分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口

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エンコードは依然デュアルコアの天下
しかし3D系では首位をがっちりキープ!

 さっそく各ベンチマークソフトを使ってテストした結果を見ていきたい。グラフ1~3は「3DMark」 3種を対決したものである。CPU性能の差がよく出る「3DMark 2001 SE」では、Athlon 64-4000+ではPentium 4 XE-3.73GHz に並ばれてしまったが、FX-57はきっちり100差を付けて引き離している。CPUにあまり依存しない「3DMark 03」「3DMark 05」のメインスコアでは伸びはごく僅かで、Pentium 4陣営との勝ち負けも誤差範囲だ。しかし、「3DMark 03」のCPUスコアはAthlon 64 4000+と比べると86アップし、並びかけていたPentium 4 670やPentium 4 XE 3.73GHzを引き離している。ただ、「3DMark 05」のCPUスコアはマルチスレッド化されているため、FX-57は大きく性能を伸ばしはしたが、デュアルコアのPentium D 840に届かなかったほか、“Hyper Threading”(以下、HT)搭載のPentium 4 XE 840にも惜敗した。一方、「Unreal Tournament 2003」や「Final Fantasy」では、首位をさらに大きく独走する形だ。

 
「3DMark 2001」の結果
「3DMark 03」の結果
「3DMark 05」の結果

 マルチスレッド化されている「Cinebench」や「PCMark 04」、およびエンコードソフトでは性能が伸びはしたものの、HT搭載のPentium 4やデュアルコアCPUたちが優位に立つ。それでも「Cinebench」では、Pentium 4 670やPentium 4 XE 3.73GHzに並ぶ健闘を見せたが、デュアルコアには歯が立たない。そのほかの3つは、デュアルコアのみならず、シングルコアだがHT搭載のハイエンドPentium 4にも及ばなかった。ただ、「TMPGEnc 3」では“SSE3”搭載が効いて、Athlon 64-4000+と比べると性能は25%向上している。
 最後のグラフ2つは、π計算を行なう「Superπ」と高性能可逆圧縮ソフト「DGCA」によるエンコード時間だが、ここではクロック向上がダイレクトに反映され、ともに首位奪還に成功している。
 なおテスト条件は前回のVol.34のものと同じで、FX-57についてはAthlon 64 X2 4800+と同じ環境を用いている。

「Unreal Tournament 2003」の結果「Final Fantasy XI ver.2」の結果
「Cinebench 2003」の結果「PCMark 04」の結果
「Windows Media Encoder」の結果(短い方が高速)「TMPGEnc 3」の結果(短い方が高速)
「Superπ」の結果(短い方が高速)「DGCAβ9の結果(短い方が高速)」

FXブランドの正念場

 全体を通して言えば、マルチスレッド化されたアプリではやはりデュアルコアという結果になった。また、HT搭載のPentium 4には及ばないものの、3Dやシングルスレッドの演算性能を問われるテストでは強いテストはさらに独走し、これまでPentium 4 670やPentium 4 XE 3.73GHzに追いつかれつつあった分野は、しっかり引き離しを行なったといえる。シングルスレッドの作業については最速のCPUと言っていいだろう。これにより、AMDはマルチスレッド最速のAthlon 64 X2に加え、シングルスレッド最速の座も確保したことになる。AMDの「最速」へのこだわりを感じさせられる製品展開と言える。

 ただ、FX-53がソケット939に移行して以来、Athlon64 FXは「なにをやらせてもAthlon 64シリーズ中で最速」のモデルとなっていた。もっと言えば、Athlon64 FX-55は、「事実上Athlon 64 4200+のようなもの」(ここでいう4200+とはデュアルコア版を指すのではなく、4000+のさらに上位という意味合い)だった。しかし、X2が登場したことで、FXの優位はシングルスレッドの作業に限定された。アピールできるマーケットが大きく狭まっても、なお今後ブランド力、価格を維持できるかどうかが注目されよう。




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