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【PAGE 2005 Vol.1】印刷業界もITシフト!! “循環型メディアビジネスに向けて”をテーマにGoogle/Amazon.co.jp/楽天が基調講演でスピーチ

2005年02月07日 15時53分更新

文● 千葉英寿

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続いて、アマゾン ジャパンのAmazon Webサービステクニカルエバンジェリストの吉松史彰氏が、“XML/Webサービスで実現する次世代のWeb”と題して同社のウェブサービスの動向について語った。始めに「380万を超えるアクティブカスタマー(積極的に購入する顧客)があり、700万点を超えるセレクション、マーケットプレスにおけるユーズド商品などを持っている」ことを紹介し、“低コスト、低価格で販売→顧客満足度の向上→トラフィックの増加→売り手の増加により品揃えが一層よくなる”という連鎖が継続することでGrowth=アマゾンの成果が大きくなる、という同社のビジネスモデルを示した。

基調講演で発言するアマゾン ジャパンのAmazon Webサービステクニカルエバンジェリストの吉松史彰氏 Amazon.co.jpが掲げる連鎖の構造と“Growth”の構図
基調講演で発言するアマゾン ジャパンのAmazon Webサービステクニカルエバンジェリストの吉松史彰氏Amazon.co.jpが掲げる連鎖の構造と“Growth”の構図

同社の考えるウェブサービスについて吉松氏は、「現在のウェブは電球コンセントに無理矢理に電気扇風機を接続して使っているようなもので、夜になると扇風機を使うか明かりを点けるか困ることになります。ウェブサービスは電球コンセントが、現在普通にある(汎用の)コンセントになるようなものです」と語り、「Amazonの持っているデータとテクノロジーはAmazonだけのものではありません。イノベーションのインフラ提供にAmazonも参加したいことを動機として、Amazonの技術とデータにアクセスできるプログラミングインターフェースを“Amazon Webサービス”を通じて開発者向けに無償提供しています」と強調した。

すでにAmazon Webサービスを活用したサイトが提供されており、吉松氏はその内のいくつかを紹介した。アマゾンの完全子会社であるA9.comが開発したサーチエンジン“A9(エーナイン)”は、グーグルのウェブ検索とAmazonの書籍検索結果を合わせたわかりやすいインターフェイスを持ったもので、キーワードを入力するとそれに関連したページと関連書籍が表示されるというもの。また、外部の開発者が提供しているものとして、

  • アマゾンの検索画面をよりシンプルに分かりやすくすることを目的に開発されたGoogleライクなインターフェースを持つ“Amagle(アマグル)
  • このアーティストを聴いている人はほかにもこういうアーティストを聴いているといった連想情報を集積して、マインドマップのようなアーティストの相関図を表示する“musicplasma.com(ミュージックプラズマ・ドットコム)

が紹介された。

楽天のプロ野球参入がもたらした意外な効果!?

最後に楽天の取締役EC事業カンパニー執行役員である杉原章郎氏は、来場者の期待どおり2005年シーズンのプロ野球参入の効果から語ってくれた。

基調講演で発言する楽天の取締役EC事業カンパニー執行役員である杉原章郎氏
基調講演で発言する楽天の取締役EC事業カンパニー執行役員である杉原章郎氏

杉原氏は、「プロ野球参入後から団塊の世代の利用者が増えており、楽天ブランドの認知度が飛躍的に向上しています。これまで既存媒体での幅広い認知は認識していたものの、(それだけでは)収支が合わないということがありました。しかし、ネットが“1億2000万人、総○○時代”になったことで変わってきました」とし、野球参入の効果を示した。

楽天のサービスはネットショッピングのサイトを簡単に作れる仕掛けを提供したものだが、それでは不十分で当初は「3ヵ月かかって(登録は)13件ぐらい」(杉原氏)という程度だった。その後、企画/プロモーション/データ分析を行なうためのツールを提供した。楽天のビジネスに参加する=“人をエンパワーする”ことで出店者とユーザーを拡大してきたという。

プロ野球参入を表明した2004年夏を境に新規会員、購入者ともに増加した
プロ野球参入を表明した2004年夏を境に新規会員、購入者ともに増加した

楽天のウェブサービスについて杉原氏は、「“人のポテンシャルにエナジーを注入できるサービスか?”というのが着眼点になっています」と語り、同社が提供しているエナジー注入型ウェブサービスとして“楽天市場”“楽天オークション”“楽天ビジネス”“オンライントレード楽天証券”“楽天アフィリエイト”“楽天広場(日記・ブログ)”などを紹介した。現在、「店舗数が1万7000件ぐらい、ユーザー数はもうすぐ1000万人」(杉原氏)に達するうえ、さらに拡大しつつある現状の数字を示した。


このようにいずれのビジネスも形こそ違え、ユーザー、開発者、パートナーといった人との関わり、信頼感からビジネスが動き、成長してきた事が理解できた。このほか、連日、印刷やメディア制作に関わるさまざまな話題をテーマにコンファレンスが行なわれた。

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