PCI Express×16に対応した同一の2枚のビデオカードを使用することで、パフォーマンスの向上を図るという“SLI(Scalable Link Interface)”をサポートする“GeForce 6600 GT”。同GPUを搭載する初のビデオカード「PV-N43UE」がProlinkから登場した。
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“GeForce 6600 GT”第1弾メーカーはProlinkとなった |
“GeForce 6600 GT”は、今や伝説となりつつある“Voodoo 2”でも実現していた、同一カードの2枚差しによるパフォーマンスの向上を可能にした“SLI”に対応するGPUだ。この“SLI”に対応する製品としては、ワークステーション向けGPU“Quadro FX 3400”を搭載する製品が少量流通したことがあるが、コンシューマ向けといえる“GeForce 6600 GT”搭載モデルは今回が初めてとなる。
ちなみにNVIDIAでは、“Voodoo 2”で実現していたSLI(Scan Line Interleave)と、今回の“GeForce 6600 GT”によるSLI(Scalable Link Interface)は異なる方式であるとしている。
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PCI Express×16に対応した2枚のビデオカードを使用することで、パフォーマンスの向上を図るという“SLI”をサポートする“GeForce 6600 GT”カード「PV-N43UE」 | カード裏面は、とくにメモリも搭載せずシンプル |
カード本体は、先に登場している下位モデル“GeForce 6600”搭載製品と似ているが、ところどころに違いが見られる。まず注目したいのは、やはりカード上部に設けられた“SLI”専用端子。ご覧のようにPCI Express×16の切り欠きとは反対側に、小さな切り欠きがあるのがお分かりだろう。今まで公開された“SLI”のデモを見る限り、2枚のビデオカードはこの専用端子に取り付けられたブリッジコネクタによって接続されるようだが、残念ながら今回発売された「PV-N43UE」の付属品には確認できなかった。これについて、販売ショップ、代理店ともに「ブリッジコネクタの単品発売予定や入荷時期は不明」としており、現状では2枚購入しても“SLI”を使った動作はできない。
チップクーラーは標準的なサイズながら、BGAパッケージとなった搭載メモリ1つ1つに、ヒートシンクを装着。やはり上位モデルということか、“GeForce 6600”にはなかった6ピンの外部電源コネクタを装備している。その他、コアクロックが500MHz、メモリクロックが1GHz、メモリが128MB。インターフェイスはTV-OUT/DVI/VGAとなり、付属品にはHDTV/Sビデオ/コンポジット対応の専用ケーブルも同梱されている。本日入荷を確認したのはアークで、価格は2万9800円。
なお、“SLI”を使用するには、当然PCI Express×16スロットが2本(内1本のレーン数はPCI Express×8もしくは×4でよい)が必要となる。しかし今のところ該当するマザーボードは、Supermicro製のDual Xeon対応マザー「X6DA8-G2」や「X6DA8-G」(共にチップセットは“E7525”)のみとなっており、どちらも個人ユーザーには購入しづらい製品。今後“SLI”使用の条件を満たした個人ユース向けのマザーボードが発売されれば、今回の“GeForce 6600 GT”を含め、“SLI”をサポートするビデオカードの注目度はさらに上がるはずだ。
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付属品。ちなみにマニュアルやパッケージにもSLIについての記述は見当たらない | “SLI”の使用条件を満たしたSupermicro製「X6DA8-G2」。PCIを挟む形でPCI Express×16スロット(右)とPCI Express×4スロット(スロット形状は×16)を搭載(左)している |
