オフィスで重宝するWindows XP Proも選択可能
type Sのキーボード。キーピッチは約18mm、キーストロークは約2mm。インテリジェントタッチパッドを備える |
カスタマイズの恩恵はパフォーマンス偏重でなくても得ることができる。極端な話、ソニースタイルのVGN-S90Sのベースモデルは16万8000円(税込・送料別)から設定されているので、こだわりのない部分を削ってひたすら安価に仕立てることもできる。あるいは、もし仕事用マシンとして使い込むつもりなら、自分の置かれた仕事環境に合わせてスペックを決めるというのもいいアイデアだ。
例えばオフィスで常用するマシンとして選ぶなら、OSはWindows XP Professionalを使いたいところ。一般店頭モデルではHome Editionがプリインストールされており、自宅中心で使うなら不足はないが、Professionalではより強力なネットワーク機能が実装されている。ファイルとフォルダの暗号化によって重要なデータを他人が参照できないようにしたり、ユーザーレベルの設定によってアクセスできるファイルを制限するなど、セキュリティに敏感なユーザー向けの機能が多く用意されている。ほかにも、リモートデスクトップ接続で出先から職場のPCに保存しておいたファイルを参照したり、小規模なネットワークならインターネット接続共有やファイアウォール機能も活躍するだろう。
デスクワークが中心になるなら、Office Personal 2003のプリインストールを選択できるのも嬉しいポイントだ。多くの企業ではOfficeアプリをボリュームライセンスで購入していると思われるが、常に最新版が配布されるとは限らない。むしろ、3~4年間同じバージョンを使い続けることのほうが多いだろう。しかし、OSがWindows XPならOfficeアプリも合わせて新しいバージョンを使わなければ、せっかくのセキュリティ機能もフルに引き出せなくなってしまう。仮に職場で自分ひとりがOffice 2003を使っていたとしても、ドキュメントファイル自体には互換性があるので「作ったファイルが自分しか開けない」という事態にはならない。ファイルの安全性や作業効率を改善したいなら、新しいOfficeアプリの導入は急務と言えるだろう。
営業先でスマートなTUMIブリーフケースとプレゼン機能
一方、オフィスのデスクから離れて顧客や営業先を歩き回ることが多いなら、やはり気になるのはバッテリーの持ちではないだろうか。一般店頭モデルのVGN-S70Bが5.5時間なのはすでに述べたとおりだが、ソニースタイルモデルでPentium M 745を選べば速さと長時間稼動の両立が期待できる。カスタマイズできるモデルなのでVGN-S90Sは公称バッテリー持続時間を明示していないが、DothanコアはTDP(熱設計電力)が従来のPentium M(Baniasコア)の24.5Wから21Wへと低下し、動作電圧も1.276~1.34Vと低く抑えられている。インテルは「同クロックならDothanコアのほうがハイパフォーマンスでバッテリー寿命は同水準」とコメントしているので、駆動時間重視のユーザーもPentium M 745を選ぶ意義は大いにある。
左側面に外部ディスプレー出力端子を装備 |
また、モバイルワークで欠かせないのが外部ディスプレー出力を使ったモニタやプロジェクターでのプレゼンテーション機能だ。使い慣れていないと外部出力の有効化や解像度設定でまごついてしまいがちだが、type Sには接続したディスプレーに合わせて自動的に解像度を変更してくれる“プラグアンドディスプレイ”機能が用意されている。ノートから少し離れた位置でプレゼンしなければならない場合でも、Bluetoothマウスを組み合わせれば進行に支障はない。手早く準備を済ませてスマートにプレゼンを進めれば、相手先に“仕事のできるビジネスマン”を強烈に印象づけられるだろう。
米TUMI社とのコラボレートで生まれた専用ブリーフケース。サイズは幅約350×奥行き50×高さ270mm(ハンドル部含まず)。重さは約0.61kgなので、type S(約1.89kg、バッテリーパック装着時)を入れると約2.5kgになる | ブリーフケースの前面には“TUMI”のロゴ入りプレートがあしらわれている |
ちなみに、ソニースタイルで購入する場合に限り、米TUMI社とのコラボレートで生まれた専用ブリーフケースとのセットパッケージが用意されている。専用ブリーフケースの素材は、防弾チョッキの素材を改良して作られた“トゥミ・フュージョンZナイロン”で、バリスティックナイロンのさらに1.5倍の強度を誇り、衝撃に強くそれでいて軽い。type Sのボディと同じブラックのこのケースは単体で持ち歩くことも、インナーバッグとして使うこともできるので、スタイリッシュに持ち歩きたいユーザーは要注目だ。
デスクワークとモバイルワーク、どちらが中心になるにしてもIEEE802.11b/g両対応の無線LANや内蔵DVD-RWドライブが標準装備されているのは大きな魅力だ。無線LANの使い勝手はもはや言うまでもなく快適で、DVDへの書き込みがいつでも使える本機なら巨大なデータの受け渡しやバックアップも手軽に行える。