Itanium 2はコスト効率を追求する
インテル(株)は11日、都内のホテルで“インテル エンタープライズ・プレス・セミナー”を開催し、Itanium 2プロセッサーの重要性についてアピールした。
米インテル社のエンタープライズ・プラットフォーム事業本部エンタープライズ・マーケティング&プランニング事業部長のアジェイ・マルホトラ(Ajay Malhotra)氏 |
米インテル社のエンタープライズ・プラットフォーム事業本部エンタープライズ・マーケティング&プランニング事業部長のアジェイ・マルホトラ(Ajay Malhotra)氏は、まず「世界経済も日本経済も回復基調にある。国内では地下鉄にワイヤレスLAN環境が導入され、ブロードバンドも普及した」とスピーチをはじめた。しかし一方で課題も抱えているという。その課題とは、日本のIT支出が世界第2位であるにもかかわらずIT生産効率は12位にとどまっている点、メインフレームの割合が33%と高い点で、レガシー環境からの脱却が必要だと結論づけた。氏によると「(この状況ゆえ)まだまだコスト効率を追求していく隙があり、投資回収を効率化していく機会が残されている」という。その力になるのがItanium 2システムであり、それをとり巻くエコシステムだ。
「世界経済・日本経済は回復基調にあるが課題も多い」 | 日本のIT支出が世界第2位であるにもかかわらずIT生産効率は12位にとどまっている |
量産サーバー市場はXeonがおさえ、バックエンドの基幹業務系のサーバーはItaniumプロセッサーファミリーがおさえていく | Itanium2は業界をリードし、エコシステムが拡大しているとする図 |
コード名“Tukwila(タクウィラ)”でさらにコアの数を増やす
インテルはこの3年でコード名“Mercedマーセド、800MHz/4MB)”、“McKinley(マッキンリー:1GHz/3MB)”、“Madison(マディソン:1.5GHz/6MB)”と3世代の製品を市場に投入し、今年の後半には“Madison(1.7GHz/9MB)”が登場するという。「2007年までにはItanium 2およびXeonシステムでコスト性能が良くなり、Itanium 2がXeonの2倍の性能を発揮するだろう。Itanium 2はムーアの法則よりも早く進化していく。キャッシュインテグレーションやモバイルコアのインテグレーション、そしてマルチコア、マルチスレッドのインテグレーションによってすばらしいItanium 2の進捗があるだろう」と話した。
インテルは3年で3世代の製品を投入してきた |
ではその次には何がでてくるのか? 17億個のトランジスターを集積し、デュアルコア、3倍以上のプラットフォーム帯域を持つコード名“Montecito(モンテシト)”が2005年に提供されるだろうと話した。キャッシュメモリーは24MBとなる。氏は「300mmのウエハーで90nmのもの。インテルに期待されるものが、すべてここに集約されている」として、会場に用意したMontecitoのウエハーを取り出した。
Montecitoのウエハーを手に「インテルに期待されるものが、すべてここに集約されている」とアピールするアジェイ・マルホトラ(Ajay Malhotra)氏 |
このMontecitoの次にはコード名“Tukwila(タクウィラ)”が登場する。「さらにコアの数を増やし、インテグレーションの性能を高めていく。Montecitoの仮想化技術を改良し、電源管理も向上させることで信頼性も引き継ぎ、さらなるクラスにプロセッサーを高めていく」と氏は話した。トランザクションパフォーマンスは2倍になり、プラットフォームの帯域幅も3倍以上になるという。
Itanium 2向けに最適化されたアプリは2000以上に
Itanium 2のポイントは、Madisonだけをとってみても多くの関係者が関心をよせている点で、2Wayから128Wayのシステムにいたるまで多くの顧客を抱えている。「エンタープライズ市場のソフトサポートも強力で、すでに1600以上のアプリが対応しているし、年末までにはItanium 2向けにポーティングされ最適化されたものが2000以上になるだろう」と予測した。また、Itaniumの魅力はマルチOSサポートにもあり、ユーザーが選択したOS環境を保証している点も大きいとして、43%がWindows、31%HP-UX、26%がLinuxというサンプリングを提示した。
Itanium 2の魅力はマルチOSサポートにもある | 国内で導入が進むItanium 2 |