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【IDF 2004 Spring Vol.5】業界初のマルチバンドOFDMトランシーバーチップを公開

2004年04月10日 06時08分更新

文● 編集部 小板謙次

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“IDF Japan Spring 2004”開催2日目には、ウルトラワイドバンド無線プラットフォームに関するプレスカンファレンスが行なわれた。最初に登壇した米インテル社インテルフェロー兼コミュニケーション・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン(Kevin C. Kahn)氏は、ウルトラワイドバンド(以下、UWB)の現状について説明した。氏は、まずSIG(Special Interest Group)として発足した“マルチバンドOFDMアライアンス(MBOA:Multiband Orthogonal Frequency Division Multiplex)”について触れた。

米インテル社インテルフェロー兼コミュニケーション・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン(Kevin C. Kahn)氏
米インテル社インテルフェロー兼コミュニケーション・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン(Kevin C. Kahn)氏

マルチバンドOFDMアライアンス(以下、MBOA)はインテルを中心とした90社(IDF資料による)が集まっている組織だが、2003年6月にUWBの標準化を推進するために発足した組織だ。インテルの研究発表でもたびたび登場するUWBとは、短距離のパーソナル・エリア・ネットワーク向けワイヤレス技術。「UWBは、データレートが高く、低消費電力であり短距離をカバーするにことにおいては理想的な技術。たとえばポータブルビデオプレーヤーなどが検討されており、デジタルホームでのコーディネーションができる」「これによって、あたかも家のなかにHOTSPOTがあるかのように(家電やパソコン間で)通信を行なうことができる」とカーン氏は説明した。

UWBの利用モデル
UWBの利用モデル
UWBの無線プラットフォームとアプリケーション
UWBの無線プラットフォームとアプリケーション

氏によると重要なポイントはワイヤレスUSBやワイヤレス1394、IP/UPnP、その他のアプリケーションの土台となる物理層だ。MBOAのメンバーはUWBを実現するため、今年中にスタッグを定義し、そのスペックをIEEEに国際基準にしていくとしている。なお、物理層の上にはWiMediaアライアンスが存在する。これはUWBプラットフォーム向けの共通抽象化層の開発を担う業界団体で、単一の共通無線方式上でWUSBやIEEE 1394などのアプリケーションを利用できるようするのが目的だ。

MBOAに参加している米テキサス・インスツルメンツ社のダスティ・ラッセル(Dusty Russell)氏は、標準化作業について触れた。「なぜIEEEの外で作業を行なうのかとよく聞かれるが、それがMBOAの主目的ではない」とことわった上で、「我々の意図は標準化、共通のハードウェアプラットフォームベースを作ることだ。もともとIEEEではじまった作業だが、なかなか標準化に対する意見をまとめることができなかった。そこで我々は何か手を打たなければいけないと考えていた。IEEEの外で並行して作業を進め、同時進行でスペックの作業を行なっていく。内容に関してはIEEEに仕様を提供していくことになる。基本的にはFCCの要求に見合わないことは何もないと確信している」と話した。

米テキサス・インスツルメンツ社のダスティ・ラッセル氏
米テキサス・インスツルメンツ社のダスティ・ラッセル氏

会場では、イスラエルのウィザー(Wisair)社が開発した業界初のマルチバンドOFDMトランシーバーチップが紹介され、デモが行なわれた。このチップが公開されるのは今回のIDFがはじめてとなる。チップの型番は“UB501”で、MBOAのバージョン0.8に準拠しており、もうすぐリリースされるバージョン1.0にもアップグレード可能とのこと。マルチバンドOFDMの規格で言うところのバンド1からバンド8までの8バンドをサポートしているのが特徴だ。実際のデモでは7バンドだけを表示し時間軸に対してバンドをオン/オフした状態の波形を見せていた。またチップだけでなく、チップに接続可能なアンテナも紹介された。ちなみにインテルの資料によると、マルチバンドOFDMのバンドプランはバンド1からバンド14までの5つの論理チャンネルを使用する。チャネル1はバンド1~バンド3で構成され、UWBデバイスではチャンネル1の実装が必須とされている。OFDMデバイスは、これら複数のチャネルを切り替えることで異なる動作モードを実現する。

会場ではマルチバンドOFDM実演のためのデモ機が用意されていた OFDMチップがサポートしている8バンド中、7バンドだけを表示
会場ではマルチバンドOFDM実演のためのデモ機が用意されていたOFDMチップがサポートしている8バンド中、7バンドだけを表示。時間軸に対してバンドをオフにしたりオンにしたりした状態の波形
初公開されたチップは非常に小さい。型番は“UB501”で、バージョン0.8に準拠しており、もうすぐリリースされるバージョン1.0にもアップグレード可能 実装されたマルチバンドOFDMトランシーバーチップ
初公開されたチップは非常に小さい。型番は“UB501”で、バージョン0.8に準拠しており、もうすぐリリースされるバージョン1.0にもアップグレード可能実装されたマルチバンドOFDMトランシーバーチップ“UB501”。伝送速度は480Mbit/秒
前がチップで、奥にあるのがアンテナだ アンテナは写真のように装着されていた
手前がチップで、奥にあるのがアンテナアンテナは写真のように装着されていた。

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