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マイクロソフト、エンタープライズビジネス戦略を解説するプレスセミナーを開催――カスタマーバリューの最大化を目指す

2004年03月30日 23時21分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は29日、同社のエンタープライズビジネスへの取り組みをテーマとした月例プレスセミナーを開催した。解説を行なったのは、同社常務執行役エンタープライズビジネス担当の平井康文氏。

マイクロソフト、常務執行役エンタープライズビジネス担当の平井康文氏

平井氏は、エンタープライズユーザーの多くが抱える課題、そして同社に対する要望や期待の声を紹介し、これに応えるべく展開した同社のビジネスについて解説した。まず、エンタープライズユーザーが抱えているITに関する課題は大きく以下の4点になるという。

技術革新への対応
プラットフォームのマルチベンダー化、システムのライフサイクルの整合性、システムの最適化といった問題への対応
IT投資効果
運用効果の抑制と新規投資の選択、集中(※1)
アプリケーション開発の効率化
開発期間の短縮、品質の確保
信頼性の確保
セキュリティーなどのシステムリスクへの対応

これに加えて、同社の元に顧客から寄せられてくる要望・期待の声としては、

  • 製品の信頼性の向上(仕様どおりに動作する製品の提供)
  • 企業戦略に合った最適な技術・製品、継続性のある製品や技術の提供
  • マルチベンダーへの対応
  • サポートの充実、生涯への迅速な対応、パッチの適用

といったものがあるという。

※1 平井氏の説明によると、現在のIT投資は7割が現状システムの維持・運用に、3割が新規案件への投資という状況だが、理想的の比率は、現状システムの維持・運用コスト55%、新規投資45%だとしている

これらを受けて同社では、エンタープライズ分野への取り組みとして“カスタマーバリューの最大化”を目標として、顧客満足度の向上、バリューの拡大、ソリューションの充実、ビジネスプロセスの円滑化の4点にフォーカスしていくという。

顧客満足度向上のためのマイクロソフトの取り組みプロセス

まず、顧客満足度の向上に関しては、米マイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏が述べた“ビジネスの成長よりもお客様の満足度の向上を”という言葉を挙げ、顧客およびパートナー企業の期待や要望に着実に応えるプロセスを重視した活動を実践しているとした。具体的な施策としては、顧客やパートナーを後方から支援するような営業スタイルから、業種/業界別にセールスおよびサポート担当者を配置しより直接的に顧客やパートナーと接し、さらに、電話やメールによるテレセールスを充実し、顧客とやり取りするメールには顔写真を挿入して担当者を明確にするなどの取り組みを行ない、「顔の見えるマイクロソフト」(平井氏)を実行したという。

同社のWindows Server Systemを核とする“統合された革新”と、エンタープライズビジネスでの取り組み

2番目のバリューの拡大に関しては、これまでの“Windows Server System”“Microsoft Office System”などの製品解説で紹介された“統合された革新(Integrated Innovation)”をいかに実現していくかがポイントとなっているという。エンタープライズユーザーに対しては、この“統合された革新”を、コスト管理、ビジネス価値の創出、既存ビジネスの継続の3点に適応し、TTM(Time To Market)の短縮、TCO(Total Cost of Ownership)の削減、ROI(Return On Investment)の最大化に取り組んできたという。

例として挙げられた、ロイターの事例。金融サービス顧客向けの新しい情報/分析サービス製品の構築を行ない、既存インフラユーザーのコスト削減と、新製品のTTMの削減に成功したという。米セブンイレブンの事例。約5800店舗のPOSのアップグレードを行なった。この際、Linuxベースのシステムも検討されたが、同社システムではLinuxに対してTCOが約20%削減できると判断され、採用に至ったとしている住友信託銀行の事例。社内のデスクトップ環境のアップグレードを行ない、ROIは246%、20ヵ月での投資回収が可能という評価を得た
“Windows Server System”を核とした統合ソリューション同社製品によるビジネスプロセス管理の流れ

また、同社製品群による統合的なソリューション、統合的なプロセス管理の流れによるバリュー拡大について解説。マルチベンダー対応と標準技術の取り入れを考慮したXMLをベースとした、“Windows Server System”の統合ソリューションを紹介、クライアントのフロントエンドとしての“Microsoft Office System”や、BizTalk Server 2004を介した、他社製業務アプリやインターネット経由で接続されたB2Bサーバーとの連携の例を図で示した。

家の建設に例えたプログラミング開発環境の構造左の図に対するWindows Server 2003や.NET Frameworkの位置付け。地面に相当する部分がWindows Server 2003、基礎や基本的な部品、建材に当たる部分が.NET Frameworkだとしている
.NET Frameworkの解説

さらに、これらをバックエンドで支える.NET Frameworkについての基本的な解説を改めて行なった。平井氏は、アプリケーション開発を家作りに例え、家を建てる地面(アプリケーション開発におけるインフラ部分)がWindows Server 2003、家の基礎(実行環境)と材木やネジのような基本的な部品と素材(クラスライブラリ)、建材や床材といったより現実的な部品(業務非依存のアプリケーションフレームワーク)の3点が.NET Frameworkだと説明した。平井氏によると、.NET Frameworkが優れている点は「建材や床材の部品が豊富に用意してある」点だという。

業種/業界別のソリューション

ソリューションの充実については、前述したとおり業種/業界別のソリューション展開を行なったという。ソリューションのカテゴリーとしては“ビジネスインテリジェンス”“ポータル”“アプリケーション統合”などというようなものがあるが、具体的に提供される製品は業種/業界により役割や構成、呼び方が異なっており、より顧客にわかりやすいソリューション提供のために、このような取り組みを行なったとしている。

最後のビジネスプロセスの円滑化に関しては、同社が掲げるエンタープライズビジネスのビジョンを紹介。“信頼され、未来を託される存在へ。私たちは、プロフェッショナル集団としてお客様のビジネス価値を創造し続けます”というスローガンを紹介し、顧客およびパートナーの満足度向上、パートナーとの協業プロセスの確立、個人情報の保護などの取り組みを行なったとした。

2004年のエンタープライズ分野での取り組み

プレゼンテーションの最後には、2004年のフォーカス分野について説明し、ここまでの内容をベースに、

  • “統合された革新”の実証
  • “Information Worker”の生産性の向上(日本ではさらに取り組む必要があるとしている)
  • マイグレーションメリットの訴求
  • セキュリティーへの取り組みの強化
  • パートナーエコシステムの拡大

に一層取り組み、“カスタマーバリューの最大化”を目標とすると述べた。

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