マイクロソフト、『Microsoft Office System』のテクニカルセミナーを開催――Office Systemを強化する2製品
2003年07月09日 01時04分更新
マイクロソフト製品マーケティング本部オフィス製品部Visioプロダクトマネージャーの西岡奈穂子氏によると「Visioは、開発・設計・情報システム部門などではよく利用されているが、そのほかのホワイトワーカー、経営者などの利用は進んでいない。一方では、Officeユーザーの60%がPowerPointなどを使い、何らかの図を書いているという調査結果がある。報告書を書くのが月に1回ならばPowerPointでもいいが、頻度が高いのであればVisioを使ったほうが効率がいいことを伝えたい」という。
マイクロソフト製品マーケティング本部オフィス製品部Visioプロダクトマネージャーの西岡奈穂子氏 |
そこで今回の『Microsoft Office Visio 2003』では、より広範囲に受け入れられる企業アプリケーションへの進化をコンセプトに、通常のインフォメーションワーカー向けの機能を強化したという。
主な強化ポイントは、
- 企業にとってのビジネスバリューの強化
- 情報のビジュアル化によりコミュニケーションの効率を高め、分析・意思決定のサポートをする
- フォルトツリー解析図、SAP R/3用のEPC図など、追加された新テンプレートを使ったビジネスプロセスマネジメントに対応し、業務プロセスの可視化を実現する
- 連携機能・コラボレーション機能の強化
- SQLサーバーのフロントエンドとして機能し、データベース内のデータをビジュアル化できる
- Windows SharePoint Servicesを使い、Visioファイルのバージョン管理が行なえる
- Excelのデータを読み込んだ自動作図機能を搭載する
- Outlook、Exchangeのスケジュールデータを使ったカレンダー作成に対応する
- プログラミング機能の向上
- ActiveX Controlに対応し、外部アプリケーションからVisioの作図機能が利用できる
- 一連の作業を記録するマクロ記録機能により、作業効率を向上させる
- 開発者向けにSDKを提供する
- 基本的な作図機能の強化
- 初心者が使いやすいように、オンラインのチュートリアルテンプレートを搭載する
- ITシステムの効率的な管理を促進するためネットワーク図テンプレートを改良し、ラック図テンプレートを追加する
Visioの作図テンプレート例。ネットワーク構成図とラック図 |
の4点。製品ラインナップには、営業資料などを作るビジネスユーザー向けの『Microsoft Office Visio Standard 2003』と、データベース/ソフトウェアの設計図や電子回路図などを作成する開発者/エンジニア向けの『Microsoft Office Visio Professional 2003』の2製品を用意する。
交通事故調書作成ソリューション
またセミナーでは、Visioを使ったソリューションも紹介された。そこではVisioの活用例として、タクトシステムズ(株)の交通事故調書作成ソリューションが登場。交通事故現場、車種、被害者などがVisioのオブジェクトとして表現されており、記入者はリストから現場の住所、状況などを選択するだけで調書の作成が行なえる。採用は未定で、現在営業中だという。
現場住所を元に交差点の見取り図を表示 | 車種、損傷個所などを設定し、現場状況を保存 | 関係者の氏名、住所、生年月日、免許証番号などを入力 | ||
タブレットPC、データベースソフトAccess、Visioを組み合わせた交通事故調書作成ソリューション。オブジェクトにデータを関連付けられる、Visioならではのシステムだという |