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サイボウズAG 1.2

サイボウズAG 1.2

2003年04月06日 09時45分更新

文● NETWORK MAGAZINE編集部・イビサ

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サイボウズAG 1.2

サイボウズ

基本セット:10ユーザー 6万8000円、50ユーザー 19万8000円
サイボウズ活用支援サービス 1万9800円

バージョンアップを促進する
さまざまな仕掛け

HotBiz「ホーム」画面
画面1 「サイボウズAG 1.2」のトップページ。NETWORK MAGAZINE 2002年7月号をお持ちの方は、当時のレビューと比べればわかるとおり、各アプリケーションへのアイコンが追加され、見やすくなった。

 サイボウズの最新グループウェア「サイボウズAG」が1.2にバージョンアップされた。1.2の解説の前に、まずはサイボウズAGについておさらいしておこう。

 サイボウズAGは同社の「サイボウズOffice」の後継として、2002年5月に発売されたものだ。従来の「サイボウズOffice4」ではトップページにスケジュールや掲示板、プロジェクトなどの各アプリケーションの更新状態を表示できるようになっていた。しかし、ユーザーの設定で情報を集めすぎると、トップページが肥大化しすぎ、かえって使いにくいものになってしまうという弱点があった。これに対してサイボウズAGでは、各アプリケーションを自動的に収集する「エージェント」で、ユーザーに関わる情報と次に行うアクションだけをトップページに表示するようにした。

 ただし、ユーザーインターフェイスが従来のサイボウズOfficeから大きく変更されることとなり、AGへのバージョンアップはあまり進まなかったようだ。また、「初物」ということで、ユーザーから機能的な不備も多く指摘された。

 そのため、使い勝手の向上と機能の追加を行ったのが、サイボウズAG 1.2である。また、サイボウズAG 1.2のみに対応する「おいしい」ツールも用意されており、バージョンアップを強力に推進したいという意図が伺える。



インストールからユーザーフレンドリー

ガイドナビ画面1 ガイドナビ画面2
画面2、3 初回ログイン時に表示される「ガイドナビ」。使い方をフラッシュアニメーションで教えるデモムービーを表示できる。

 サイボウズAG[基本セット]のアプリケーションは、

スケジュール
スケジュール+施設予約+行き先案内板
メッセージ・掲示板
掲示板+電子会議室+回覧板
メール
ファイル管理
アドレス帳

などとなっている。そして、

  • プロジェクト
  • ワークフロー
  • 報告書

といったアプリケーションのほか、PDAとのシンクロソフト「サイボウズAGシンク」や携帯電話やPDAのWebブラウザからサイボウズAGを使う「サイボウズAGケータイ」、「サイボウズAGポケット」などがオプションとなる。

 サイボウズAG 1.2は以前の製品に比べても、かなりユーザーフレンドリーな作りになっている。サイボウズAGのインストールを終了し、ログインすると、まず「ガイドナビ」というポップアップページが表示される。初回は使い方を説明したFlashによるデモムービーを見ることができる。ガイドナビは初回だけでなく使い方のコツやヒントなどユーザーの習熟度にあわせて、随時表示される。

 サンプルデータが入っているのも便利だ。通常、こうしたグループウェアをインストールした直後は当然まっさらの状態である。そのため、ユーザーがどういった用途に使ったらよいのか迷う場合も多い。その点、サイボウズAG 1.2では各アプリケーションに架空のデータが入っているので、どういった用途に使うかがすぐにわかる。

トップページも
使い勝手を大幅に向上

メッセージおよび掲示板画面
画面4 メッセージおよび掲示板では、書式編集の機能が追加され、字を大きくしたり、色を付けたりといったことが行える。

 自分に関わる情報を機能をまたいで通知してくれるトップページに関しても改良が行われた。以前のAGでは、掲示板なり、メッセージなりを参照した段階でユーザーがその情報を確認したと認識され、トップページに表示されない仕様になっていた。しかし、AGの1.2では自分が処理した順番に履歴が残せるようになった。そのため、「他のユーザーから来た会議の予定をチェックしたけど、忘れてしまった」という状態になっても、わざわざ検索せず、履歴をたどればよくなったのだ。

 また、メッセージと掲示板には、書式編集の機能が追加された。「書式編集」のメニューを使うことで、文字を拡大したり、左寄せにしたり、バックに色を付けたりといったことが行える。

 そのほか、

  1. スケジュールのアクセス権の設定が、グループやユーザー単位で行えるようになった
  2. メンバーや施設の空き情報をボタン1つで確認できるようになった
  3. 登録したい情報を書き終えなくても、メモとして「Myフォルダ」に残せるようになった
  4. 添付できるファイルのサイズを管理者側で制限できるようになった
  5. メッセージ、メール、掲示板などをToDoに追加できるようになった

――などの改良ポイントが挙げられる。



Outlookとの連携ツールと
メッセンジャー

サイボウズAGリマインダー画面1 サイボウズAGリマインダー画面2
画面5、6 サイボウズAG 1.2対応の「サイボウズAGリマインダー」。サーバ情報の更新や予定の通知のほか、他のメンバーの在席状況も一目でわかる。

 サイボウズAG 1.2の新機能の隠れた目玉として、マイクロソフトのOutlookとの連携ツールの提供が挙げられる。

 Outlookは単なる電子メールクライアントとしての機能だけでなく、スケジューラやアドレス帳といった機能も統合されている。しかし、当然ながらデータに互換性がないため、サイボウズOfficeと併用すると、サーバとクライアントでそれぞれスケジュールを入力しなければならないという状態になってしまう。しかし、この連携ツールを使うと、Outlook 2000/2002の予定表とサイボウズAGのスケジュールをシンクロできるのだ。これはフリーウェアとして同社のWebサイトで公開されている。

 また、新たに「サイボウズAGリマインダー」というWindows用のインスタントメッセンジャー(IM)も提供される。

 Webグループウェアで利用するHTTPでは、サーバからWebブラウザにプッシュ型で情報を送り出す仕組みがない。そのため、サーバの情報が更新されても、ユーザーはWebブラウザで再度読み込みしなければ、その更新を知ることができない。しかし、IMを使えば、サーバと常時通信しているので、更新情報をユーザーにリアルタイムに知らせることができる。

 「サイボウズAGリマインダー」は後発ながら、通常のIM以上の機能を備えている。マシンに常駐してサーバの情報をいち早く伝えるという本来の機能はもちろん、「リマインダー」ということで、スケジュールに登録したイベントが近づくと、自動的にポップアップで知らせてくれるという機能も持っている。さらにユーザーのステータスを表示する「在席確認機能」も搭載している。在席、離席中、ログアウト、取り込み中などのステータスがリアルタイムに表示されるので、パーティションなどで区切られたオフィスでは便利そうだ。ただし、サイボウズAGリマインダーは「サイボウズ AG 活用支援サービス」という年間契約のサービスメニューの1つとして位置づけられるため、契約者以外のユーザーは使用できない。

 Outlook連携ツールとサイボウズAGリマインダーに対応するのは、サイボウズAG 1.2のみである。そのため、大きな乗り換え動機になるだろう。


 試用した限りでは、前回レビューしたときに気になった部分がかなり改良されていた。また、バージョンアップを促す仕掛けがかなり行われているので、実際に体験版を試用してみるのがよいだろう。

サイボウズAG 1.2の主なスペック
製品名 サイボウズAG 1.2
価格 基本セット:10ユーザー 6万8000円、50ユーザー 19万8000円
サイボウズ活用支援サービス:1万9800円

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