アップルコンピュータ(株)は16日、東京・新宿の本社セミナールームに報道関係者を招いて、15日に発表したデュアルG4プロセッサー搭載の『Power Mac G4』およびスーパードライブ搭載『eMac』に関する説明会を開催した。
Xserveアーキテクチャーを採用し、すべてのモデルがデュアルプロセッサー構成となった『Power Mac G4』 |
新Power Mac G4を前に説明するプロダクトマネージャの鯉田潮氏 |
発表会ではプロダクトマネージャの鯉田潮氏が今回のPower Mac G4のスペックの詳細についてデモを交えながら説明を行なった。鯉田氏の説明によると、新Power Mac G4のポイントは、新しいシステムコントローラーチップの採用に伴って、システムバスの167MHz化、メインメモリーへのDDRメモリー(最大2GB)採用など、7月に発表したラックマウントタイプサーバー『Xserve』と同様のアーキテクチャーを採用したこと。新Power Mac G4に搭載したシステムコントローラーは、PC2700 DDRメモリーをサポートしており、Xserveのもの(PC2100対応)よりさらに新しいものとしている。
フロントパネルのドライブふた部分は『iPod』ケースと同じ鏡面仕上げという | 背面パネルには多数の排気口を開けている |
新コントローラーチップでは、FireWireやGbit Ethernet、ATAなどのインターフェースを内蔵し、データスループットが向上したという。なお新Power Mac G4に2チャンネル(計4台接続可能)あるHDDのATAインターフェースは、1チャンネル(UltraATA/100)のみコントローラーチップ内蔵で、残りの1チャンネル(UltraATA/66)は外部のI/Oコントローラーを経由したものとなっている。
背面パネルのインターフェース。オーディオ入力が追加となっている |
新開発したコントローラーチップの機能概要。ATAコントローラーは1つが内蔵、1つが外付け |
HDDインターフェースがUltraATA/100となったことで、パフォーマンスが向上したという。ただし、1チャンネルのみでもう1チャンネルはUltraATA/66のまま |
Xserveアーキテクチャーの採用によってマザーボードの物理的な構造も変わり、Power Mac G4外観も、5インチベイの位置がフロントパネルの中央部に下がり、スピーカー、電源スイッチの位置が上になった。フロントパネル下部には4つの吸気口が開けられ、デザイン上の特徴となっている。リセットボタンとプログラムキーは無くなった。また、ユーザーからの要望に応えて、背面にオーディオ入力を追加している。
筐体を開いたところ。プロセッサー部分の大きなアルミ製のヒートシンクが目立つ | 背面方向から見たところ。5インチベイの下に見える巨大なファンがプロセッサー冷却用 |
ケースの開けやすさ、バススロットやメモリースロットへのアクセスのしやすさなどは従来のPower Mac G4同様で、「従来からあるワークステーションレベルの拡張性を継承した」(鯉田氏)としている。内部にはHDD用、プロセッサー用、電源用(×2)と合計4つのファンを配置しているが、プロセッサー用ファンを温度センサー付きの回転数制御可能なものにするなどした結果、従来のPower Mac G4よりも「少し静か」(鯉田氏)になったという。
新Power Mac G4では3つのグラフィックスカードを用意する。それぞれ1つのカードにADCとDVIインターフェースを備えており1枚でデュアルディスプレー環境が構築できる |
『Quake III』を使った、グラフィックスパフォーマンスの向上を示すグラフ |
Power Mac G4(866MHz×2、PC2100 DDRメモリー256MB)を使ったパフォーマンスデモンストレーション。Javaを使った画像処理スクリプト、QuickTimeによるMPEG-2からDVフォーマットへの変換処理、『Shade』によるレンダリングを同時に行なった状態でもスムーズなファインダー操作が可能なことをアピールした |
Power Mac G4のパフォーマンス向上グラフ |
ソフトウェアはMac OS X(10.2)とMac OS 9(9.2.2)を別のパーティーションにプレインストールしているが、システムディスクはMac OS Xのみで、Mac OS 9の再インストールはレストアCDを使ったときだけ可能となっている。システム全体のパフォーマンスは、新Power Mac G4の1.25GHzデュアル機で従来のPower Mac G4の最上位であるPowerPC 1GHzデュアル機と比較して、およそ30%処理能力が向上し、18.3GFLOPS(※1)となったとしている。なお、同じPowerPC 1GHzデュアル機同士で具体的にどの程度向上したかについては明らかにされなかった。
※1 GFLOPS 1秒間に浮動小数点演算を何回できるかを表わす単位がFLOPS。1GFLOPSは1秒間に10億回の浮動小数点演算ができる。おなじみのPhotoshopによるPentium 4機とのパフォーマンス比較 | ビデオ編集ソフト『Final Cut Pro3』によるパフォーマンス比較 | DVDオーサリングでのPentium 4-2.53GHz機とのパフォーマンス比較 |
Power Mac G4と同時発表した『eMac』。コンボドライブモデルとSuperDriveモデルが追加となった。光ディスクドライブ以外の仕様は変わっていない |
『eMac』『iMac』のラインアップ。iMacは各モデルで2万円の値下げとなった |