HDDビデオレコーダと無線LANによるワイヤレスTV視聴に加え、ブロードバンドルータ機能までまとめてしまった機器が、東芝の「TransCube 10」だ。その「三位一体」の機能、どのように融合しているだろうか?
ルータ+HDDビデオレコーダに
無線LANでアクセス
写真1 同梱の無線LANアダプタ。IEEE802.11b対応であれば、ほかのアダプタでもTransCubeに接続できる。 |
したがって、TV録画/視聴環境としては、ブロードバンドアクセス環境に地上波TVという別系統のコンテンツ(を受信する仕組み)が統合されている、と見ることもできる。この方向性を推し進めれば、伝送方法に違い(地上波かネット経由か)があるだけで、すべてデジタル映像コンテンツとして格納する「ホームサーバ」の実現まで“あともう一息”だということが分かる。今回のTransCubeでは、ブロードバンドで伝送されたコンテンツを内蔵HDDに記録することはできないが、開発陣のそんな隠された野望(?)が、何とはなしに感じられる機器である。
写真2、3 TransCube本体の前面と背面。鏡面仕上げの前面にある映像入力端子と一部ボタンは金属のふたで隠される。背面LANポートには、接続先のモデムやハブのポートにより、クロスケーブルが必要になるので注意! |
TransCubeには、ルータ用のWAN/LANポートが各1つ、地上波TV受信用のアンテナ入力端子が1、S対応の映像入力端子が2(前背面各1)、映像出力端子が1つ用意されている(写真2、3)。WANにはADSL/CATVモデム、LANにハブやPC、映像入出力端子にTVやビデオ機器などを接続するわけだが、意外な盲点なのが、マンションなどではモジュラージャックとTVアンテナ端子とが(対角線上にあるなど)離れている部屋が多いこと。TransCubeはその両方に接続する必要があるので、(ADSLモデムにつないだ)LANケーブルかアンテナケーブルのどちらかを何メートルか延長することになるかもしれない。
すでにブロードバンド接続環境が構築されているなら、TransCubeを1つの端末としてLANに接続することも可能だ。この場合、有線/無線LANで映像をPCに転送するスタイルのHDVR機器として使うことになる。