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Creature House Expression 2 日本語版

Creature House Expression 2 日本語版

2002年06月03日 22時14分更新

文● 伊藤 裕也

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Creature House Expression 2 日本語版

ピーアンドエー

1万9000円

中国Creature House社のベクターグラフィックスソフト「Creature House Expression 2」の国内における販売権が、アクシムからピーアンドエーに移行した。ここではExpression 2の概要、ならびに主な新機能を紹介しよう。

ペイントソフトのように
ストロークを描けるドローツール

 Creature House Expression(以下、Expression)は、イラストの作成を得意とするベクターベースのグラフィックスソフトだ。ブラシとして登録したイメージを、フリーハンドや複数指定した点を頂点とする曲線(Bスプライン曲線)に合わせて変形描画することでコンテンツ作成を行うユニークなドローイングツールで、ペイントソフトの表現力・使いやすさとドローソフトの編集の容易さを併せ持つ。最大の特徴はストローク(パス)ひとつをさまざまなタッチで表現できる「スケルタルストローク」という技術で、具体的にはストロークに対して、冒頭に挙げた外観(ブラシ)のほか、ストロークが曲線を描く際のスタイルや筆圧による幅の変化などを付加できる。Expressionではこのスケルタスストロークの搭載により、表情豊かなストロークの描画が可能だ。

 さて、ピーアンドエーがWeb直販で発売中のExpression 2は2000年末に発売された後でマイナーバージョンアップを重ね、4月末現在ではVer.2.4となっている。ここから先はExpression 2以降に搭載された新機能を紹介しよう。Expression 2では新しい描画ツールと入出力フォーマットの追加、ユーザーインターフェイスの強化などさまざまな部分の改良が重ねられている。

 クリエイティブツールに関する新機能としては、「スケルタルストロークの拡張」「描画モードの採用」「塗りに対する特殊効果の追加」などがある。

図1 筆圧のコントロールを使うことで同じパスながらまったく違った雰囲気のストロークを作成できる。なお、このストロークはビットマップストロークによる水彩ブラシだ。
 スケルタルストロークの拡張は、具体的には「ビットマップストロークへの対応」「筆圧コントロールの追加」などが挙げられる。ビットマップストロークとは、ビットマップイメージをブラシとして登録して描画する機能で、単なる変形や連続描画だけでなく、水彩のようなかすれのあるタッチの表現が行えるようになった。筆圧コントロールは、タブレットの筆圧感知機能に対応してストロークの太さを自在にコントロールできるというもの。筆圧検知対応タブレットがなくても、新たに追加された「筆圧パネル」により後から簡単に補正が可能だ。これらの機能により、繊細で豊かなタッチを表現できるようになっている。



図2 描画モードの指定はオブジェクトごとに行う。左上が「標準」で右上はオーバレイ、左下は「スクリーン」で右下は「相違」。
 描画モードは、描画したオブジェクトの重ね合わせ方法を指定する機能だ。「通常」の重ね合わせのほかに、「乗算」「スクリーン」「覆い焼き」「相違」など合計8種類あり、表現の幅が大きく広がった。

 塗りに対する特殊効果の適用とは、ストロークの塗りに対して「ソフトエッジ」「エンボスエッジ」の効果が付与できるようになったことを指す。両効果はひとつの属性(パラメータのプラスマイナス)で管理され、プラスに振るとソフトエッジ、マイナスに振るとエンボスエッジとなる。



図3 Expression 2ではオブジェクトのワーピングもサポート。オリジナルのデータに影響を与えることなく画面の変形処理が行える。
 このほか、特に注目すべき大きな点としてはラスターデータ(BMPやTIFなど)の入力に対応したことが挙げられる。従来のExpressionではラスターデータが読み込めないため、スキャン結果を下絵として読み込みドローツールでイラストを作成する――といったことができなかった。下絵からイラストを作成する人には致命的な問題だっただけに、この機能強化は大きなポイントだ。なお、Expression 2ではさらにラスターイメージに対してPhotoshop用プラグインを利用してフィルタなどを適用できるようにもなっている。

 価格は、Web直販のパッケージ版が1万9000円で、オンラインマニュアル付きのダウンロード版は1万7000円、Expressionユーザー向けのアップグレード版は1万5000円となる。  ドローツールを扱うにはベジェ曲線に関する知識などが最低限必要となるため、どうもとっつきにいと感じる人も少なくない。しかし、Expression 2はペイントソフトのようにストロークを描画でき、ペイントソフトに慣れている人であれば比較的簡単に使いこなせるだろう。CGの作成に興味のある方に、ぜひお勧めしたいソフトのひとつである。


Creature House Expression 2 日本語版の主なスペック
製品名 Creature House Expression 2 日本語版
入力ファイル形式 JPEG、TIFF、BMP、GIF、AI(Illustrator)、およびPhotoshop用プラグインで拡張可能
出力ファイル形式 JPEG、TIFF、BMP、GIF、AI、Flash SWF、Photoshop(レイヤー付き)、およびPhotoshop用プラグインで拡張可能
対応OS Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP、Mac OS 8.6~9.x/X以降
CPU Pentium-166MHz以上、PowerPC以上
メモリ 64MB以上

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