中国Creature House社のベクターグラフィックスソフト「Creature House Expression 2」の国内における販売権が、アクシムからピーアンドエーに移行した。ここではExpression 2の概要、ならびに主な新機能を紹介しよう。
ペイントソフトのように
ストロークを描けるドローツール
Creature House Expression(以下、Expression)は、イラストの作成を得意とするベクターベースのグラフィックスソフトだ。ブラシとして登録したイメージを、フリーハンドや複数指定した点を頂点とする曲線(Bスプライン曲線)に合わせて変形描画することでコンテンツ作成を行うユニークなドローイングツールで、ペイントソフトの表現力・使いやすさとドローソフトの編集の容易さを併せ持つ。最大の特徴はストローク(パス)ひとつをさまざまなタッチで表現できる「スケルタルストローク」という技術で、具体的にはストロークに対して、冒頭に挙げた外観(ブラシ)のほか、ストロークが曲線を描く際のスタイルや筆圧による幅の変化などを付加できる。Expressionではこのスケルタスストロークの搭載により、表情豊かなストロークの描画が可能だ。
さて、ピーアンドエーがWeb直販で発売中のExpression 2は2000年末に発売された後でマイナーバージョンアップを重ね、4月末現在ではVer.2.4となっている。ここから先はExpression 2以降に搭載された新機能を紹介しよう。Expression 2では新しい描画ツールと入出力フォーマットの追加、ユーザーインターフェイスの強化などさまざまな部分の改良が重ねられている。
クリエイティブツールに関する新機能としては、「スケルタルストロークの拡張」「描画モードの採用」「塗りに対する特殊効果の追加」などがある。
図1 筆圧のコントロールを使うことで同じパスながらまったく違った雰囲気のストロークを作成できる。なお、このストロークはビットマップストロークによる水彩ブラシだ。 |
図2 描画モードの指定はオブジェクトごとに行う。左上が「標準」で右上はオーバレイ、左下は「スクリーン」で右下は「相違」。 |
塗りに対する特殊効果の適用とは、ストロークの塗りに対して「ソフトエッジ」「エンボスエッジ」の効果が付与できるようになったことを指す。両効果はひとつの属性(パラメータのプラスマイナス)で管理され、プラスに振るとソフトエッジ、マイナスに振るとエンボスエッジとなる。
図3 Expression 2ではオブジェクトのワーピングもサポート。オリジナルのデータに影響を与えることなく画面の変形処理が行える。 |
価格は、Web直販のパッケージ版が1万9000円で、オンラインマニュアル付きのダウンロード版は1万7000円、Expressionユーザー向けのアップグレード版は1万5000円となる。 ドローツールを扱うにはベジェ曲線に関する知識などが最低限必要となるため、どうもとっつきにいと感じる人も少なくない。しかし、Expression 2はペイントソフトのようにストロークを描画でき、ペイントソフトに慣れている人であれば比較的簡単に使いこなせるだろう。CGの作成に興味のある方に、ぜひお勧めしたいソフトのひとつである。
Creature House Expression 2 日本語版の主なスペック | |
製品名 | Creature House Expression 2 日本語版 |
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入力ファイル形式 | JPEG、TIFF、BMP、GIF、AI(Illustrator)、およびPhotoshop用プラグインで拡張可能 |
出力ファイル形式 | JPEG、TIFF、BMP、GIF、AI、Flash SWF、Photoshop(レイヤー付き)、およびPhotoshop用プラグインで拡張可能 |
対応OS | Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP、Mac OS 8.6~9.x/X以降 |
CPU | Pentium-166MHz以上、PowerPC以上 |
メモリ | 64MB以上 |