ATRAC3録音と楽曲転送を行う
「OpenMG Jukebox」
図1 OpenMG Jukeboxからのチェックアウト前に、文字情報を半角と全角のどちらで転送するかを選ぶこともできる。 |
CDからの録音では、ATRAC3のビットレートを132/105/66kbpsから選択する。NetMDには音質重視のLP2(132kbps)と収録時間重視のLP4(66kbps)の2つのモードが用意されているが、もちろん105kbpsで記録したデータも転送可能で、この場合はMD上でLP2として認識される。
曲のタイトルやアーティスト名は、OpenMG Jukeboxと同時にインストールされる「HDD CDデータベース」を参照するか、ソニーと音楽出版社が共同開発した「インターネットCD情報サービス」を接続することで自動的に入力される。ただし、これらのデータベースは2001年夏ごろの国内発売分までなので、新譜に関してはユーザーが自分で入力する必要がある。
以前は、OpenMG Jukebox上からCD通販サイト「CDNOW JAPAN」にアクセスすれば新譜旧譜に関わりなく曲名を取り込むことができたのだが、同サイトのサービスが2001年8月に停止したことで、新譜情報の提供元がなくなってしまっているのだ。ソニーは現在新しい提携先を検討中とのことだが、CDNOWが便利だっただけに、一日も早いサービス再開が待たれる。
MZ-N1へのデータ転送は、クレードルに載せた状態で曲を選択して「チェックアウト」ボタンを押すだけと単純だが、ディスクに記録するという性質上、ネットワークウォークマンなどよりも時間がかかる。例えば、約49分/36.6MB(105kbpsで11曲)のデータを転送する場合、ネットワークウォークマン「NW-E3」では1分12秒で完了するが、MZ-N1では4分29秒もの時間を必要とする。74分のメディアを埋めつくすには、14分近くかかってしまった。CDからMDに直接録音するよりは早い(現在MDLPは4倍速録音が最速)とはいえ、今後の更なる速度アップに期待したい。
また同じ理由から、MZ-N1で1曲目が再生されるまでに約6秒、次曲頭出しに約3秒のウェイトが発生する。MDはディスクを先読みしてデータをメモリにため込み、ディスクの回転を止めてメモリからデータを読み出すことでバッテリの持続時間を延ばしているので、こうした若干のタイムラグは仕方のないところだ。
CDから録音したデータは3回(メディア3枚)までのチェックアウトが可能で、さらに別のメディア転送したい場合は、どれか1枚から書き戻す(チェックインする)必要がある。チェックインする前にメディアをフォーマットしてしまうと、PCからの最大転送回数が減ったままになってしまうので注意したい。
ただし、PCにチェックインできるのはOpenMGで暗号化され、MagicGateで認証されたデータだけ(つまりPCからチェックアウトした楽曲だけ)なので、MZ-N1上で録音したデータをPCへ転送することはできない。CDプレーヤとMZ-N1を直接接続してデジタル録音した楽曲をチェックインできないのは仕方ないとしても、マイクを使ってアナログ録音した議事録などをPCに取り込めないのは残念なところだ。
MZ-N1の価格はオープンプライスで、実売は4万円弱。質感は良好で、搭載機能やリモコンの操作性も充実しているが、NetMD初代機であることや録音機能内蔵などの理由から、ポータブルMDとしてはやや高めの価格設定になっている。購入時に比較するのはネットワークウォークマンなどと思われるが、「小型軽量で機敏な反応」と「メディアが安価で長時間再生」のどちらを重視するかでおのずと選択肢は絞られてくるだろう。
MZ-N1の主なスペック | |
製品名 | MZ-N1 |
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バッテリ | 専用ニッケル水素、単3アルカリ電池 |
サイズ | 約78.5(W)×19.9(D)×73.0(H)mm |
重量 | 約114g(バッテリ含む) |