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MZ-N1

MZ-N1

2002年02月22日 23時38分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・松本 俊哉

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MZ-N1

ソニー

オープンプライス

MDのメディアに音楽をATRAC3形式で記録する「MDLP」を拡張して、PCからの楽曲データ転送に対応したソニーが策定した新MD規格「NetMD」。そのポータブル第1号機となる「MZ-N1」は、ジャストMDサイズのボディに録音機能を搭載したハイスペックモデルだ。

MDとPCをUSB接続して
ATRAC3データの転送を実現

 「NetMD」とは、MDメディアに「ATRAC」方式やATRACよりも圧縮率の高い「ATRAC3」方式で音楽を記録する従来の音楽MD規格(Rainbow Book)を拡張し、PCとMD機器のUSB接続および楽曲データの転送を実現した新しいMD規格だ。また、PCでの楽曲の録音時にデータを暗号化して記録する「OpenMG」と、転送時にPC側のソフトウェアとMD側が機器認証を行うことで、不特定多数への楽曲データの転送(配布)を制限する「MagicGate」という2つの著作権保護規格もサポートされている。使用するメディアは今までのMDと変わらず、NetMDで記録したATRAC/ATRAC3データは既存のMD/MDLP機器で再生できるという互換性の高さが大きな特徴だ。

 PCから楽曲データをMDに転送できるメリットは大きく2つ挙げられる。あらかじめHDD上に楽曲データを作っておけば、今までのMD/MDLPのように新しいディスクを作るたびにCDから録音を行う必要がなく、ディスク作成の時間が短縮できること。そして、曲名やアーティスト名、アルバム名をPCのキーボードを使って入力できるので、MD本体を使った手間のかかる文字入力から解放されることだ。以前にも汎用または専用のキーボードを接続可能なMDレコーダは存在したが、NetMDでは半角カタカナと英数字に加えて、かな漢字を含む2bytes文字がサポートされているので、入力のしやすさはもちろん、MDプレーヤの液晶での表現力も高くなる。

写真1 本体の液晶では半角カタカナ、英数字以外の文字は表示できない。本体色にはシルバーも用意されている。
 このNetMDに対応したソニー初のポータブル機「MZ-N1」は、初代機に相応しくコンパクトなボディにNetMD、長時間再生、音飛び防止、編集、録音などいくつもの機能を凝縮した多機能モデルだ。

 マグネシウム製の本体は軽くて丈夫で、手に持ったときの質感も高い。液晶は半角9文字×3行の文字情報領域を持ち、その右側には再生モードやバッテリ残量がアイコンで表示される。本体上での文字表示は半角のみで、楽曲データに登録された文字情報はひらがなを半角カタカナ、漢字を空白にそれぞれ変換して表示する。曲名などはリモコン上で確認することが多いので、割り切った仕様だが特に不便はないだろう。



写真2 写真では見えないが、リモコンの側面には液晶の表示内容を変える「DISPLAY」やリピートモードを変更する「REPEAT」、停止ボタンなどが並んでいる。
 一方リモコンには、全角6文字分の表示領域があり、その左右に曲番号やバッテリ残量、再生モードなどの状態が表示される(写真2)。リモコンの形はソニーおなじみのスティックタイプで、右端のつまみを上に回すと再生/次曲頭出し/早送り、下に回すと前曲頭出し/巻戻しを行える。さらにこの新型リモコンでは、つまみを腕時計の竜頭(リュウズ、時刻などを合わせるツマミ)のように引き出すとボリューム調節モードに切り替わる仕組みが採用されている。ヘッドフォン端子はこのつまみの同軸上に配置され、ポケットクリップ以外の突起はほぼなくなっている。

 本体右側面にはマイク端子と光デジタル入力端子(丸型)が並び、標準/LP2/LP4の各モードで録音が行える。また、底面にはバッテリとPC接続用の端子が用意され、付属の専用クレードルに載せることで、充電とUSB接続が同時に行われる。フル充電までは約3時間半で、LP2モード時の連続再生時間は、付属の充電池で約38時間。単3アルカリ乾電池を併用すると、約95時間の超ロングプレイを実現する。



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