「hp e-pc 42」は名前もシンプルだが、本体もシンプルさを追求した省スペースデスクトップだ。企業内での使用を想定してセキュリティ機能を重視しているのが特徴。コンパクトなボディでもCPUにPentium 4を採用するなど、性能面での妥協は見られない。
拡張性をあえて廃した超省スペースPC
日本HPの「hp e-pc 42」は、小型化と管理コストの低減を追求するため、あえて拡張性を廃した省スペースデスクトップだ。サイズは、95(W)×280(D)×250(H)mm、重さ4.6kgとかなりコンパクトにまとまっている。本体は横に寝かしても、立てても使える。
別売の17インチ液晶モニタ「hp l1720」とセットにすると、本体は液晶の台座の部分にコンパクトに収納できる。hp l1720は、1280×1024ドット(SXGA)表示に対応し、価格は9万8000円。 |
これだけの小型/軽量化を実現できた理由は、
- FDDを無くしたこと
- 必要な機能をすべて独自設計のマザーボード上に搭載し、PCIスロットを廃したこと
- 電源を外付けACアダプタにしたこと
──などだ。FDDを備えていないのは、無許可でデータを持ち出したり、ウイルス感染を防ぐという意味もある。ACアダプタは一般的なものよりもかなり大きく、実測で82(W)×166(D)×40(H)mmほどあったが、電源ケーブルは十分に長いので机の下などに置けば問題ない。
オリジナル設計のマザーボード。チップセットはi845でSocket 478のPentium 4に対応。オンボードビデオチップはATIの「RAGE 128 Pro 4XL」。 |
本体は手で緩められるネジ1本で容易にケースを開けられる一方、必要に応じてカギをかけ、管理者以外がマシン内部にアクセスできないようにもできる。これによって内部パーツの盗難やハードウェアの改変を防ぐことが可能だ。本機には拡張スロットがないため、本体カバーを外してユーザーが増設できるのはメモリのみとなる。マザーボードには2本のDIMMスロットがあり、最大1GB(512MB×2)のPC133 SDRAMを搭載可能だ。拡張性を最小限にとどめたと言っても、レバーを持ち上げるだけでHDDを簡単に取り外せる仕組みになっているなど、パーツ交換は容易だ。企業ユースなどでは、あらかじめ必要なソフトウェアをインストールしたHDDのスペアを用意しておき、使用中にドライブやソフトウェア関連のトラブルが発生した際に素早く復旧する、といった使い方も有効だ。
本体ケースは、ネジ一本で開閉可能。必要に応じて開閉できないようにロックすることもできる。入出力ポート部分には専用のカバーも用意されており、本体カバーと一緒にロックすれば、管理者以外のアクセスを完全に排除できる。 |