日本ヒューレット・パッカードは、世界有数のPCメーカーでありながら、長らく国内市場で沈黙を続けてきた。「hp pavilion 2100」シリーズは、その同社が満を持して投入する待望のコンシューマモデルの第一弾。米国市場で人気のタワー筐体ではなく、新設計のスリム筐体を採用するなど、国内市場の意向が色濃く反映されたシリーズだ。
派手さはないが、安心して使えるマシン
評価機は、PentiumIII-800EBMHzを搭載した上位モデルの「hp pavilion 2150」。同シリーズには、その他Celeron-600MHz搭載で実売8万円前後の「同2000」など2機種がラインナップされているが、pavilion 2150は、DVD-ROMとCD- RWのコンボドライブ、TypeII×2のPCカードスロット、4つのUSBと3つのIEEE1394ポートを搭載するなど、機能を重視した1台だ。
筐体は、曲線を主体とするすっきりとしたデザインで、インクジェットプリンタのdeskjetシリーズなど他の周辺機器との統一感を感じさせる。フェイスプレートやディスプレイ(CRTタイプ)の前面パーツは交換可能で、明るく軽やかな印象のブルーグレー(Moonlight Metallic Blue)とより引き締まった印象の濃紺(Deep Metallic Blue)の2種類のカラーリングを選択できる。
筐体の使い勝手に関しても配慮されており、背面のネジを手で回せるキャップスクリューとし、ドライバーを使わずに、メモリ交換や拡張カードの装着ができる。また、抜き差しする頻度の高いポート類は前面に配置。IEEE1394、USB、ヘッドフォン端子などのほかに、PDAの接続で抜き差しする頻度が高いシリアル端子も用意している。
頻繁に抜き差しするポート類は本体前面にすべて装備しているため、便利に使える。上位2機種はPCカードスロットとCD-RWとDVDのコンボドライブを搭載するが、ローエンドの2100は省略されている(ドライブは48倍速CD-ROM)。 |
アプリケーションとしては、Office 2000 Personal、DVD再生ソフトの「WinDVD 2000」、ライティングソフトの「Easy CD Creator」など、本体の機能を活用する上で最低限必要なものに絞り込んだという印象だ。スペックにも同じことが言え、最近流行の動画編集やHDD録画機能など、派手な機能は搭載しないものの、PentiumIII-800EBMHz、128MBメモリ、30GBのHDDの搭載といった基本仕様は総じて高い。シンプルで飽きの来ないデザインを持った、実用性の高いマシンとしてHPファンならずとも興味を引かれるPCと言えるのではないか。
なお、販売は首都圏を中心とした一部の量販店の店頭売りとインターネットを利用した直販(http://www.hpeselect.co.jp/)のみで行う。本体単体の販売のほかに、専用15インチTFT液晶(DFP接続)とのセットも用意され、実売価格は液晶セットで25万9800円、本体のみで16万8000円程度となっている。
キーボードは、最近の例に漏れず、アプリケーションボタンやCD/DVD再生ボタンを装備。電卓ボタンも装備するあたりがHPらしい(意外に重宝する)。ただし、打ち心地に関しては多少の改善がほしい部分。 |
本体背面のネジは、手で回すつまみのついたキャップスクリュー型。側面カバーの外し方がややわかりにくいので、外す際にはマニュアルを一読しておくことをお勧めする。 |
CPU | PentiumIII-700MHz |
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メモリ | 128MB |
ビデオ | i810E |
HDD | 30GB |
CD-RW | R4倍速/RW4倍速/CD24倍速 |
DVD-ROM | DVD8倍速 |
通信 | モデム |
OS | Windows Millennium Edition |
モニタ | オプション |
Officeアプリ | Microsoft Office 2000 Personal(SR-1) |