初のDVキャプチャ対応AGPカード
ビデオチップのすぐ近くに配されるIEEE1394コントローラとブリッジチップ |
そんなAIW 8500DV最大の特徴は、搭載するAgere Technologies(Lucent Technologiesから分離独立)製IEEE1394コントローラにより、シリーズではじめてDVキャプチャに対応したこと。IEEE1394コントローラを搭載した(DVキャプチャに対応した)AGPビデオカードはもちろんAIW 8500DVがはじめてで、要するに“TVチューナ付きビデオキャプチャ&DVキャプチャ&ビデオのオールインワンカード”へ進化したというわけだ。カード上には“ATI BRIDGE”と書かれたブリッジチップが確認できるが、これがビデオチップとIEEE1394コントローラの混在に寄与しているのだろう。Agere製コントローラをAGP接続チップとしてエミュレートしているのではと思われるが、現在のところ詳細は不明。
なお、これにともなって外付けインターフェイスボックスの仕様も変化した。All-in-Wonder RADEONでは入力のみの対応(出力は専用ケーブルで行う)だったのに対し、AIW 8500DVでは「ATI入出力アダプタ」と、入出力をサポート。また同時にIEEE1394コネクタと、従来は上述の専用ケーブルで対応していたS/P DIF出力コネクタもこちらに装備した。
VRAMはカード裏面に搭載する。Samsung製の5ns品だ |
カードを見てみると、“DV”を別チップが担当するため、ビデオチップはリテール版「RADEON 8500」と基本的に同じものを採用。つまりDirectX8.1対応カードということになるが、64MB搭載するVRAMは5ns(最高200MHz駆動)。実際に動作させて確認した高速電脳によると、AIW 8500DVのコア/メモリクロックはそれぞれ230MHz/190MHzとなっており、コア/メモリとも275MHzのRADEON 8500カードに比べて大きく引き下げられていることになる。このため、世界最速クラスの3D性能をAIW 8500DVに求めるのは難しいところだろう。
このほかの仕様はAll-in-Wonder RADEONと同じ。モニタ出力端子はDVI-I(D-Sub変換コネクタ付属)で、ドルビーデジタルAC-3ストリーム出力コネクタを搭載するのはこれまでどおり。
同梱品。左端に見える無線リモコンはビニール製のボタンが独特だ。TVや各種マルチメディア再生の制御が可能なほか、一部でマウスやキーボードの代わりにもなる |
対応OSはWindows Me/2000/XPで、Windows 98には対応していない点には注意が必要だ。価格は5万円程度になるもようで、現在のところ6日朝の入荷を確認できているのはOVERTOP、高速電脳、コムサテライト3号店、TSUKUMO eX.。日本語環境でどこまで動くのか不明なため購入は“賭け”となるが、ステレオ以外について言うなら、分の悪い勝負にはならないだろう。もっとも、初回出荷分はそれなりの数が用意される予定なので、ある程度情報が出揃うのを待った方がいいかもしれない。ただし「RADEON 8500の英語版がそうだったように、次回入荷まではかなり間が空く」(興隆商事)とのことなので、のんびりとは構えていられないだろう。
なお興隆商事によると、現行のAll-in-Wonder RADEONの高速化版にあたる「All-in-Wonder RADEON 7500」が来年に登場する予定とのこと。こちらはかなりお買い得な製品になる見込みとなっているので、こちらを待ってみるのもアリかもしれない。