このページの本文へ

高品質印刷への各社の取り組み

高品質印刷への各社の取り組み

2001年11月16日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

使い勝手の向上

 印刷品質と速度のほかに、最近のインクジェットプリンタで積極的に導入されている技術を簡単に見てみよう。

 まずは「四辺フチなし印刷機能」。エプソンが「PM-900C」から搭載したフチなし印刷は、カット紙(A4やハガキ)に対して周囲の余白なしで印刷できるため、銀塩写真のフチなしプリントのような仕上がりとなる。上端や下端の印刷においては細かな制御が必要となるため、1枚あたりの印刷速度が落ちてしまうのが難点だが、2001年はキヤノンもほぼ同様の機能を搭載するなど、今後の家庭用プリンタにおいては標準的な機能となるだろう。

hp cp 1160の印刷ヘッドとインクカートリッジ
hp cp 1160の印刷ヘッドとインクカートリッジ。各色独立のヘッド(上)をセットしたあとでインクタンク(下)を装着する。
 インクカートリッジに関しては、ヘッドとインクタンクの分離や、インクタンクの各色独立化がランニングコストの低減に役立つだろう。従来、エプソンのPMシリーズでは黒以外のカラーインクはすべて一体となっていたが、「PM-950C」で全色独立タンクを採用した。また、日本ヒューレット・パッカード(以下日本HP)の「deskjetシリーズ」ではヘッドとインクタンクが一体であったが、新cpシリーズでは分離構造となった。独立インクタンク方式と交換可能なヘッド(全色一体型)はキヤノンが数年前から採用しているが、「cp 1160」ではヘッドも各色独立というユニークな構造を採用している。

 また、あまり目立たない特徴だが、“ユーザーの利便性”にも注目したい。たとえば日本HPの主な製品はヘッド部に装備した光学センサを使い、印刷前に用紙の幅をチェックし、印刷用紙指定ミスを防ぐ機能を持つ。さらに同センサを利用して光学的に紙質をチェックして用紙種別を判断し、内部に記録されているプリンタ用紙データベースから用紙種別を判断、最適の印刷品質になるように印刷方式を自動的に変更する。プリンタを使っていて、メーカー専用紙以外をセットしたときにどんな印刷モードを指定すればいいのか迷うことがあるが、deskjetシリーズならば用紙選びもプリンタに任せてしまえる。



カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン