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SONAR

SONAR

2001年11月05日 23時40分更新

文● 中塚 寛幸

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多彩な書き出し機能

SONAR画面4
コンソール(調整卓)を表示させたところ。作品の編集が最終段階に近づくとお世話になる機能だ。学校の放送室にあったような卓に似た画面なので、エントリーユーザーにもわかりやすいだろう。ただ、Windows Media Playerなど、ほかのプレーヤで演奏した時よりも再生ボリュームのレベルが幾分高く聴こえるので、マスターボリュームを絞り過ぎないように注意が必要だ。マスターボリュームを下げた状態でオーディオをエクスポートすると、他のプレーヤでは聴きづらくなってしまう。
 せっかく作成した作品(プロジェクト)は、何らかのかたちでほかのプレーヤなどで使えるファイル形式にしなくてはならない。本製品のユーザー同士でデータを交換する場合には、プロジェクトを「Cakewalk ワークファイル」(.wrk)かオーディオデータを含む場合には「Cakewalk バンドルファイル」(.bun)で保存することになる。そして、完成したデータはMIDIファイル(.mid)、WAVEファイル(.wav)、MP3ファイル(.mp3)などで保存することになる。MP3に関しては、エンコードエンジンにFraunhoferIISを使用しているほか、より高圧縮率の「mp3PRO」(※1)(仏Thomson製)のエンジンも搭載している。

※1 mp3PRO 仏Thomson MultimediaとCoding Technologiesが開発した、MPEG Audio Layer-3と互換性のある圧縮オーディオ規格。Spectral Band Replicationと呼ばれる独自技術で、従来のMP3に比べ1/2のサイズで同等の音質を実現する(mp3PROの64kbpsがMP3の128kbpsに匹敵する)。

 扱えるデータの種類は豊富だが、CD-AUDIOから直接オーディオデータをインポートできないのが残念だ。DirectX InstrumentsというAPIに対応したDXiプラグインが3種(「DreamStation DXi」「Tassman SE」「VSC DXi」)バンドルされており、これらが提供するインターフェイスにソフトウェア的にルーティングしてMIDIデータをオーディオデータにミックスダウンできる。オーディオデータとMIDIデータが混在したプロジェクトを仕上げる時に必要となる機能だが、ソフトウェアのみでできるのは非常に便利だ。

 従来であれば、Steinberg、Emagic、Mark Of The Unicornの「DTMメーカー御三家」に頼っていたDTMの製作工程が、低価格なPCでほぼ実現する。ユーザーインターフェイスも上記メーカーのプロシューマ向けソフトを使ったことのある人ならすんなりなじめるものだ。HDDの回転ノイズを拾うためか、マシンによってはオーディオファイルの再生時に周期ノイズが載る場合もあるが、Windowsで音楽製作を考えている人には是非使ってみてほしいソフトのひとつだ。


SONAR日本語版の主なスペック
価格 5万8000円
開発元 ローランド
対応OS Windows 98/Me/2000
HDD 300MB以上
問い合わせ先 03-3251-5791
URL http://www.roland.co.jp/DTMP/

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