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SONAR

SONAR

2001年11月05日 23時40分更新

文● 中塚 寛幸

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SONAR

ローランド

5万8000円

コンシューマ向けのMIDI系音楽ソフトでトップシェアを誇るCakewalkシリーズの最新版「SONAR」が、ローランド「EDIROLブランド」から発売された。最近はDTMのコアユーザーだけでなくエントリーユーザーもMIDIデータとPCMオーディオを同時に使った作品を作るようになっており、本製品でも従来のMIDI関連に加え、ハードディスクレコーディング(HDR)機能を充実させたものになっている。

MIDIとオーディオの操作を統一

 MIDIとオーディオのデータは記号と波形の関係にあり、従来では同時に扱えるソフトウェアは少なかった。以前は、MIDIデータの作成と言えば下画面のイベントリストを使う“打ち込み”系のソフトが主流だったが、最近では「Finale」などの楽譜入力ソフトのような高機能な譜面入力機能を持ったソフトも増えてきている。本製品は、そのどちらの方法も用意されているが、主にMIDI楽器での人間による演奏を録音するという方法で行われる。録音されたMIDIデータは必要に応じてマルチトラックのデータとして扱われ、もう一方のオーディオデータは1トラックにステレオ2チャンネルまで扱うことができる。

SONARイベントリスト画面
SONARでMIDIのイベントリストを表示したところ。従来の「打ち込み」系ソフトのユーザーならこのインターフェイスのほうがデータを作成しやすいかもしれない。

SONAR画面2
MIDIトラックとステレオオーディオトラックを編集しているところ。各トラックには、ボリューム、パン、入力/出力インターフェイス、プラグインのチェーンなどが細かく設定できる。ほぼすべての機能がツールバーに用意されているので、マウスだけでほとんどの操作ができる。
 それぞれを自在に編集して1つの作品にまとめるためには、拍の調整、ピッチ(音程)の調整が欠かせない。拍の調整はオーディオデータを、ピッチの調整はオーディオとMIDI両方のデータを調整する必要があるが、その操作性と調整した後の音質は秀逸だ。MIDIの拍数に合わせるためのオーディオデータのグルーブ設定と拍検出(クォンタイズ)はオーディオトラックに配置されたオーディオクリップをダブルクリックして現れる「グルーブクリップ」ウィンドウのスライダーを調節することで行う。



SONAR画面3
MIDIデータをオーディオトラックにミックスダウンしているところ。右側のウィンドウはDXiプラグインの「VSC DXi」の設定ウィンドウ。複数のMIDIトラックを選択しておいてスコアを表示してみたが、楽譜表示部分での分解能がまだまだ弱いので、装飾音の表示などがおかしくなってしまうのが残念。
 またピッチの調整はプラグインの「Pitch Shifter」でもできるし、「グルーブクリップ」ウィンドウのツールバーにあるピッチのコントロールに数字で指定することでも可能だ。たとえば、バイオリンの音がそう聴こえなくなってしまうというように、通常はオーディオデータのピッチを変化させると音質が変わってしまうことが多い。しかし、本製品のオーディオエンジンでは音質の変化は少なく、優秀なエンジンだと言えるだろう。エフェクトに関しても必要十分なプラグインがバンドルされているので、基本的な作業ならばプロシューマ向けとしても十分通用するレベルに仕上がっている。



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