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sigmarion II

sigmarion II

2001年09月25日 23時32分更新

文● 月刊アスキー編集部 遠藤

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処理速度がさらに速い

本体
ちょっと厚めの新書くらいの大きさは、ちょっとしたポケットに入ってしまう。液晶下のロゴは「Powered by Microsoft WindowsCE Handheld PC」から新sigmarionでは「Microsoft Windows Powered」となった。
 そして、いままで旧sigmarionを使ってきたユーザーが一番評価しているのが、その“速さ”という最もベーシックな性能の向上である。
 新sigmarionは、動作感覚やWebサイトのアクセスなどの点で、PDAというよりも“ノートパソコンの領域”に入ってきている。もちろん、電源ON/OFFは瞬時だから、仕事の内容によってはノートパソコンよりもテキパキと行える。
 実際に、旧モデルと新モデルの比較テストをやってみた。ATOK Pocketの変換を含む全般的な“キビキビ感”の向上もあるが、「EXCELの起動時間」は約1.7倍、「EXCELの計算(素数を求める表の計算)」が約2.3倍、「Pocket IEで“asahi.com”のトップページの表示」では1.5~1.8倍の速度向上が認められた。



グラフ1
Pocket Excelで「エラトステネスのふるい」を実行する表の再計算を行うのにかかる時間。

グラフ2
ファイルのコピーにかかった時間。グラフはかなり差があるように見えるが、約1秒の違いしかない。

グラフ3
asahi.comを表示するのにかかった時間。32kbpsと64kbpsでそれぞれ計測している。

本体裏面
新sigmarion(上)と旧sigmarion(下)の裏面。CFカードの押し出しノッチやバッテリ (定格 DC7.2V/3.5WからDC7.4V/4.0Wに変更になり互換性なし)も変更されている。バッテリ駆動時間は、通常使用で4.5~10時間、通信時に3~5時間。なお、CFカードスロットを下にして落下させた場合の強度なども見直されているそうだ。
 ところで、新sigmarionでは、いままでのモバイル環境にはなかった「Wake on Ring」と「Wake on Radio」という2つの興味深いアプローチも組みこまれている。
 Wake on Ringは、メール着信でマシンが起動するという仕組みで、iモードメールのように即時受信環境を実現する(もちろん、インターネットメールを受信するのだが、PHSのキャラトークを利用したもので、ISPなどのサーバーが対応している必要あり)。
 Wake on Radioは、電波状態が悪くてメールの送受信に失敗した場合、電波状態が良好になったときに自動的にマシンを起動して再度送受信を行うというものだ。電波状況に左右されるというモバイルの弱点を、ギリギリまで解決しようという“キーファンクション”になる可能性がある。
 「Wake on ~」を設定すると、本体は電源OFFの状態でも、P-in Comp@ct/M@starは“待ち受け”状態となる。つまり、本体から常に電源供給が行われるわけだが、フル充電・電源OFFの状態で24時間待ち受けしたところ充電状態は80%まで低下した。「Wake on ~」機能を使うならば、習慣的に毎日充電する必要がありそうだ。

 価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は5万円台半ば、というところ。“自分からメッセージをバリバリ出して企画をまとめたりするような、ちょっとでも創造的な仕事や遊びをしている人”は、迷わずH/PCにすべしと言いたいところだが、もちろん、個人の事情というものがあるだろう。新sigmarionは、そんな選択肢の中でもかなり上位に入る端末であるのは間違いない。


sigmarion IIの主なスペック
CPU VR4131-200MHz
メモリ 32MB
カスタムメモリ 16MB
表示 6.2インチカラーHPA液晶(640×240ドット/6万色)
インターフェイス CFカードスロット(TypeII)×1、デジタル携帯電話/PHS接続端子、FOMA接続端子、パソコン/プリンタ接続用シリアルポート、ステレオヘッドフォンジャック、赤外線通信ポート(IrDA1.0準拠)
電源 専用リチウムイオンバッテリ、ボタン電池(CR2032)
バッテリ駆動時間 約4.5~10時間(非通信時)/約3~5時間(通信時)
本体サイズ 189(W)×107(D)×27(H)mm
重量 500g

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