2000年9月に登場したNTTドコモの「sigmarion」は、Palmブームをよそに売れまくり、“違いのわかる”モバイラーたちに活用されている。そして、1年ぶりに新しくなった「sigmarionII」(以下新sigmarion)は、一見すると“色が変わった”くらいにしか見えないが、実際に触ってみると中身は“生まれ変わった”といってもよい仕上がりだ。
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しかし、出先で瞬時に立ち上げ、あっという間に電子メールを読み書きし、Webサイトも見れて、Excelまで使って、瞬時にして終了するというスマートな使いこなしは、H/PCにしかできないワザである。
H/PCのベストセラー「sigmarion」から、最小・最軽量の絶妙なバランスの携帯性(ヒューレット・パッカードの「Jornada 710」や「同 720」の体積比90%、重量98%)とピッチ14.1mmながらフルキーボード感覚で文字入力ができるキーボードを、ほぼそのまま継承した新sigmarionは、いよいよノートPCやPalm系PDAとは一線を画する“機動性・実用性”が実現された。
ゼロハリのデザインが秀逸
旧sigmarion(下)が“ポリッシュシルバー”に対して、新sigmarion(上)では、アルミアタッシェでも最も人気のある“サテンシルバー”に変更された。 |
ちょっとでもこの世界をご存じのユーザーならお気づきのとおり、中身は「モバイルギアII」の流れを汲んでおり、製造もNECが担当している。H/PCの中では支持層の厚い“モバギ”(米国などでは「MobilePro」シリーズ)だが、その中身に、若いビジネスマンからプロのメイクアップアーチストまで使う“ゼロハリ”独特のプレスラインは好評だった(一部に「でもプラスチック製でしょう」という声も聞かれたが、日本の漆器文化の伝統さえ引き合いに出したくなるような5回もの塗り重ねが行われたあのトップパネルは、米国製では決してありえない“凝った”仕上がりになっている)。新sigmarionでは、その本体色が、「ポリッシュシルバー」から「サテンシルバー」に変更された。
本体前面にあるFOMA端子。コネクタは特殊だが信号はUSBとのこと(ただし電源は供給されず)。同じ前面のイヤホンジャックはステレオヘッドフォンジャックに変更されている。 |
旧sigmarionの欠点のひとつに“メモリの搭載量”があった(CFスロットをP-in Comp@ctで埋めると外部メモリが使えない)。新sigmarionでは、本体の32MBのメモリ(プログラム領域とデータ領域に分けて使用する)のほかに、「カスタムメモリ」と呼ぶフラッシュROMを16MB搭載。出荷時には、ここに「JRトラベルナビゲータ」や辞書ソフトの「DTONIC」(三省堂の「コンサイス英和/和英辞典」)などを搭載。用途に応じてこれらを削除してやれば、一般的な利用範囲ではメモリ不足はカバーされるだろう(ただし、ソフトを収録したCD-ROMは別売)。 また、従来のsigmarionでは、放射ノイズや伝導ノイズの関係からPHSデータ通信カード「P-in Comp@ct」との相性に問題があったが(初期出荷分、その後は無償交換で改善されたが)、今回は、先行して発売された「P-in M@ster」との相性を極限まで追求し、PHSの受信状態が“棒1本”の状態でも十分に使えるという(P-in M@sterを使って発信、通話も可能)。