日本ビクターの「InterLink MP-C303」は、高解像のカラー液晶を搭載する高機能かつ小型のハンドヘルドPCだ。
高解像度液晶搭載の小型機
InterLink MP-C303は、OSにMicrosoft Windows Powered Handheld PC 2000日本語版(以下H/PC2000)を搭載するハンドヘルドPC。CPUにVR4122-180MHzを採用し、画面表示用に7インチの1024×600ドット/6万5000色のポリシリコンTFT液晶を装備する。ただし、1024×600ドット表示は同社が独自拡張を行ったもので、追加するアプリケーションによっては正しく表示できない場合が起きることもあるらしく、コントロールパネルから800×600ドットの表示モードを選択することも可能になっている。横1024ドット表示はさすがに広く、WebブラウジングもVGAやSVGAクラスのハンドヘルドPCとはけた違いの快適さだ。 |
キートップも透明感のある樹脂素材でできている。キーピッチなど幅は十分だかストロークは浅めだ。 |
ポインティングデバイスはタッチパネルを装備し、キーピッチ15mmの幅広キーを採用する。従来機「interLink MP-C102」と同様にAV機能が付加されており、USBコネクタに直接装着するデジタルカメラ(3万円)や、手元のリモコンで音楽再生などの制御などが行えるコントローラ対応イヤフォン端子、MPEG4やMP3に対応した再生ソフトがプリインストールされている。
トップパネルと底面はシルバーメタリックで側面およびキーボード/液晶面は透明感のあるブルー/オレンジの素材が使用される。 |
本体デザインは銀色のトップ/底面とメタリック色の液晶/キーボード面のツートーンカラーとなっており、アクアブルーの「C303-A」(12月12日発売)とサニーオレンジの「C303-D」(12月15日発売)の2モデルが用意される。
軽快に使えるハイエンド機
実際に使ってみると、横1024ドット表示は確かに広く、ポリシリコンTFTの発色も非常にきれいだ。Excelでの作表や画像の表示などには便利だろう。本体や液晶のサイズも、サブノートPCでは大きすぎ、ポケットサイズの機種では表示が小さいと思える人には手頃と言える。
残念なのは、液晶画面は広くてもH/PC2000では複数のウィンドウを同時に画面表示できないという点で、このため広い画面が有効に利用できないアプリケーションが多いことだ。また、キーボードに関してはキーピッチは15mmと広いもののキーストロークは非常に浅く、打ちやすいとは言い難いため、文章を入力するような用途にいまひとつお勧めしにくい。
ただし、高解像度な液晶表示はWebブラウジングやデジタルカメラ画像の確認なども快適に行える。速度的な不満もほとんどなく、AV機能を中心に出先で利用したいハンドヘルド機だ。
製品名 | InterLink MP-C303 |
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CPU | VR4122-180MHz |
メモリ | 32MB |
表示 | 1024×600ドット/6万色 |
インターフェイス | シリアル、CRT出力(最大1024×600ドット、オプションの接続ケーブルが必要)、USB、赤外線通信ポート、リモコン対応イヤフォン端子、モジュラジャック(56kbps、V.90)、携帯電話/PHS専用端子 |
バッテリ | 専用リチウムイオン |
バッテリ駆動時間 | 約6時間(通信時約3時間) |
本体サイズ | 217(W)×153(D)×24(H)mm |
重量 | 約740g |