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モバイルギアII MC/R450

モバイルギアII MC/R450

2000年12月19日 18時56分更新

文● 行正

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モバイルギアII MC/R450

NEC

9万3000円

NECの「モバイルギアII MC/R450」はゆったりとしたキーボードや16MBの内蔵ストレージメモリなどを装備する使い勝手の良いH/PC2000マシンだ。

外観はそのままにH/PC2000を装備

 NECの「モバイルギアII MC/R450」は、CPUにVR4121-168MHz、32MBのメインメモリ、640×240ドット/6万5536色表示の8.1インチカラーSTN液晶を搭載したH/PC2000(Microsoft Windows for Handheld PC 2000)マシンだ。

 本体デザインは従来からのモバイルギアシリーズを継承する横長のもので、「MC/R530」から採用された「MGダイヤル」(液晶ヒンジ部のジョグダイヤル)も装備し、スクロールなどの操作を容易にしている。R530からの変更点としては、本体内に装備する携帯電話インターフェイスが新たに「H"」や「PacketOne」の64kbps通信に対応したほか、バッテリ駆動時間が約10時間から約13.5時間に延長、Web巡回ソフトなど搭載アプリケーションの追加、後述する「カスタムメモリ」の搭載などがある。

MC/R450のキーボード/液晶パネル部。トップと底面が白なのに比べて地味なブルーグレーとなっている。

 今回のバージョンアップで残念なのは、H/PC2000マシンやPocketPCマシンの多くがPCとの接続用にUSBを採用しているのに対し、R450はシリアルのみにとどまった点だ(PC側のUSB-シリアル変換ポートはオプションで用意される)。通信速度が最高115.2kbpsのシリアル接続に比べ、USBインターフェイスを持つH/PC2000ではActiveSyncによるファイル/PIMデータの同期が高速なのが魅力だ。もっとも、R450/R550のような大きめのハンドヘルドPCでは母艦(デスクトップPC)とのPIMデータのシンクロの重要性はPocketPCほどは重要でなくなりつつあり、CF/PCカードによるファイルのコピー/移動でもそれほど不便ではないだろう。

MC/R450の底面。右下部分のパネルを開けると拡張メモリのスロットが現れる。PCカードは側面、CFカードは前面から装着する。

 多くのH/PC2000マシンと同様に、メインメモリに32MBを搭載するほか、R450では本体底面のメモリ専用スロットに専用メモリカード(1万5000円)を装着することにより最大48MBまで拡張できる。さらに、カードスロットとしてCF(TypeII)×1とPCカード(TypeII)×1を別々に持つほか、カスタムメモリという内蔵16MBメモリを搭載しているのが大きな特徴だ。これは、メインメモリとは別に内蔵する16MBのフラッシュメモリで、OSの上からは単体のドライブとして認識される。
 H/PCでは、メインメモリをアプリケーション実行用とストレージ用に分けて設定でき、Windows 98/MeなどのCドライブに相当するストレージは本体内蔵メモリとなるが、アプリケーション実行用メモリを圧迫するとソフトによっては起動しなかったり動作が遅くなってしまうため、できるだけアプリケーションやデータは別メモリに記録するのが一般的だ。多くのH/PCは、CFカードスロットとPCカードスロットの2つを装備し、PCカードはインターフェイス用に、CFカードはストレージ用に使い分けているが、MC/R450では16MBのカスタムメモリという選択肢が増えたことにより、メモリの使い方も応用範囲が広がっている。普段使用するアプリケーションが16MB以内ならばカスタムメモリで十分対応でき、CFカードスロットはP-in Comp@ctなどに使うこともできるわけだ。

安心して使える操作性の良さ

 本体サイズは245(W)×131(D)×28.8(H)mmと、従来機と変わらず、重量は約20g軽量化された。横幅のある本体サイズはポケットに入れるには大きいものの、B5サイズノートよりもはるかに小さい本体サイズとキーピッチ16.5mmの打ちやすいキーボード、さらには最大13.5時間(非通信時)という長時間駆動は、文書入力を主な利用目的にする人にとっては非常にメリットは大きいはずだ。

光沢感のあるホワイトの本体色はけっして安っぽいイメージはなく、比較的多いと推測される女性ユーザーにとっても受けはよいだろう。ヒンジ部左側の黒いダイヤルがMGダイヤル。

 また、R450の本体色は成人男性から見れば少々軟派な感じを受けるかも知れないが、パーソナルユーザー向けのR450に対し、ビジネスマン向けの姉妹機「MC/R550」もラインナップされている。R550は本体色がシルバーで、R450では本体内ROMにインストールされている「PostPet for Windows CE」や「ぷよぷよ for Windows CE」、「大富豪」が省略される代わりに「ATOK Pocket for Windows CE」が本体内ROMに収録されている。本体色と搭載ソフトが異なるが基本スペックはほぼ同一で、価格的にはR450が9万3000円、R550が9万8000円と、さほど大きな価格差ではないので、好みと目的に合わせたアプリケーションで選ぶのが良いだろう。

製品名 モバイルギアII MC/R450
CPU VR4121-168MHz
メモリ 32MB(最大48MB)、カスタムメモリ(16MB)
表示 640×240ドット/6万5536色表示8.1インチSTNカラー液晶
インターフェイス PDC/PHSインターフェイス、モジュラジャック(56kbps、V.90)、シリアル、外部ディスプレイ(Pocket PowerPointから最大1024×768ドット/256色表示が可能)、PCカード(TypeII)、CFカード(TypeII)、イヤフォンマイク
電源 専用リチウムイオン充電池、ACアダプタ
バッテリ駆動時間 約5.5~13.5時間(非通信時)/約4~6.5時間(通信時)
本体サイズ 245(W)×131(D)×28.8(H)mm
重量 約750g

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