これまでアキバに登場したTualatinはサーバ用の「PentiumIII-S」だったが、今回“-S”のない、Tualatinコア採用のデスクトップ用「PentiumIII」が登場した。2次キャッシュはPentiumIII-Sの半分で、現行製品であるCoppermineコア版PentiumIIIと同じ256KBとなる。動作クロックはPentiumIII最速となる1.2GHzで、FSBは133MHz。残念ながら販売開始にはまだ時間がかかるが、OVERTOPにてリテールボックス品の展示が始まっている。
PentiumIII-1.2GHzのパッケージ |
Tualatinコア版PentiumIIIのS-Specは“SL5GN”。CPUパッケージはPentiumIII-SやcD0コア版の一部と同様、IHS(Integrated Heat Spreader)付きのFC-PGA2である。
コア電圧は1.475V。これはPentiumIII-Sに比べ、0.025V上がっている。
このデスクトップ版Tualatinだが、従来のPentiumIIIと比較すると、パッケージを見るだけでも変わっている点がいくつかある。1つには、パッケージ上から“Processor Serial Number”の文字が消えたこと。2つめは、PentiumIIIであるのにも関わらず“Supports Uni-Processor ONLY”と、デュアルCPU非対応になった点だ。この2点を見る限り、従来のCoppermineコア版PentiumIIIとは全く異なる製品であることが分かる。
なお、当然ながら動作保証はPentiumIII-Sと同じく対応したチップセット(i815E/EP B-Stepなど)を搭載するマザーボードでのみとなっているので注意が必要だ。
PentiumIII-1.2GHz(左)とFC-PGA2/Coppermineコア版PentiumIII-1GHz(右)の比較 |
現在流通しているCoppermineコア版PentiumIIIそしてPentiumIII-Sとの違いを簡単に整理してみると、下記のようになる。
PentiumIII (Coppermineコア) | PentiumIII-S (Tualatinコア) | PentiumIII (Tualatinコア) | |
---|---|---|---|
現行クロック | ~1GHz | 1.13~1.26GHz | 1.2GHz |
CPUパッケージ | FC-PGA/FC-PGA2 | FC-PGA2 | FC-PGA2 |
コア電圧 | 1.65~1.75V | 1.45V | 1.475V |
プロセスルール | 0.18μm | 0.13μm | 0.13μm |
2次キャッシュ | 256KB | 512KB | 256KB |
デュアルCPU | 対応(※1) | 対応 | 非対応 |
なお、今回展示されているPentiumIII-1.2GHzだが、具体的な発売日は今のところ未定。すでにNECやエプソンダイレクトからは搭載PCが発表されているものの、リテール市場で販売が開始されるにはもう少し時間がかかりそうだ。価格は「おそらく4万円超」(OVERTOP)とのことで、まだ予価も出ていない状況である。一方、高速電脳によると、今回展示されているPentiumIII-1.2GHzと同仕様でクロックだけ異なるPentiumIII-1.13AGHzが明日入荷予定とのこと。同店では、PentiumIII-1.13AGHzの予価を3万7800円としている。また、PentiumIII-1.13AGHzについてはOVERTOP、そして若松通商エルプラザも今週中に入荷する予定。週末はこの新型CPUを要チェックだ。
- Intel
- PentiumR III Processor for the PGA370 Socket at 1.13A to 1.20GHz on 0.13 micron process Datasheet