Q:RPMとはなんですか?
A:RPM(Red Hat Package Manager)、Red Hat Softwareによって開発されたパッケージ管理方式のことです。RPMは、Red HatLinuxを始めとして、TurboLinux、Vine Linux、LASER5 Linux、OpenLinux、SuSE Linuxといった数多くのディストリビューションによって採用されており、次に述べるような機能を持っています。
- パッケージ間の依存関係のチェック機能
- 強力なクエリー機能
- パッケージの検査機能
これらの機能は、rpmコマンドによって利用することができ、パッケージのインストール、アップグレード、削除を容易にしてくれます。rpmコマンドを利用する際、最低限必要なオプションは次のとおりです。
- # rpm -i(パッケージのインストール)
- # rpm -U(パッケージのアップグレード)
- # rpm -e(パッケージのアンインストール)
- # rpm --help(rpmコマンドの簡単なヘルプ)
これら以外にも便利なオプションはたくさんありますので、一度マニュアルやヘルプを見てみることをお勧めします。
また、RPMはパッケージのファイル名を見ただけでも、さまざまな情報 がわかるようになっています(図1)。
さらに、最近ではコマンドラインからrpmコマンドを利用しなくても、Red Hat Linuxのパッケージ管理コマンド「glint」やGNOME標準のパッケージ管理コマンド「GnoRPM」といったGUIツールが登場していますので、コマンドラインが苦手な初心者ユーザーは、このようなツールを利用するのもよいでしょう。
図1 rpmファイル名の意味 |
Q:パッケージ管理方式はRPMだけでしょうか?
A:Debian GNU/Linuxによって開発されたパッケージ管理方式として、deb方式があります。強力なパッケージ管理能力が特徴です。これまでは、Debian GNU/Linuxだけがこのdeb方式を利用してきましたが、Storm LinuxやCorel LINUXなどdeb方式を採用するディストリビューションが登場してきています。
deb方式のパッケージは、dpkgコマンドによって利用することができますが、dpkgのインターフェイスとしてdselectやaptなどを使うと便利です。
また、厳密にはパッケージ管理方式とは呼べませんが(依存関係のチェックなどを行わないため)、SlackwareやPlamo Linuxでは、バイナリにインストールシェルスクリプト加えてtar.gz形式(このファイル形式は、「tarボール」と呼ばれることもあります)でまとめたファイルを利用しています。これらのファイルは、pkgtoolコマンドなどを利用してインストール/アンインストールを行います。
Q:RPMとdebでは互換性はあるのですか?
A:それぞれは別の管理方式ですので互換性はありません。ただし、Debian GNU/LinuxにはRPM形式を始めとするさまざまなパッケージ方式に変換するalienコマンドがあります。また、KDEのパッケージ管理コマンド「kpackage」はRPMとdebの両方をサポートしています(画面4)。
画面4 KDEのパッケージ管理ツール「kpackage」 |
Q:rpmファイルなら、rpm系のどのディストリビューションでもインストールできますか?
A:これは、半分YESで、半分Noです。というのは、バイナリレベルでは互換性を持っていても、各ディストリビューションによってディレクトリ構成が異なっていたり、ライブラリのバージョンが異なっていることがあるからです。したがって、Red Hat Linux用に作られたrpmファイルをTurboLinuxにインストールした場合、うまく動作しないこともあります。また、その逆もあります。問題ない場合も多いのですが、トラブルを避けるためにも、極力対象ディストリビューション向けに作られたrpmファイルを利用することをお勧めします。