Q:ディストリビューションとはなんですか?
A:一言で答えるなら「配布パッケージ」ということになるでしょう。ご存じの方も多いと思いますが、厳密な意味でのLinuxは「カーネル」と呼ばれるコア部分(システムの基本サービスを提供する)だけのことを指します。しかし、それだけではユーザーが利用することはできないため、「ディストリビューター」と呼ばれる個人、法人や団体などがそれぞれのポリシーに合わせて、ライブラリ、基本コマンド、アプリケーションなど、さまざまなソフトウェアと組み合わせて「ディストリビューション」という形にして配布、もしくは販売しています。具体的なものとして、Slackware、TurboLinux、Vine Linux、Red Hat Linux、Debian GNU/Linuxなどがあります。それぞれのディストリビューションについての情報は、http://www.linux.or.jp/distributions/index.html(日本語)やhttp://www.linux.org/dist/index.html(英語)などに詳しく掲載されています。
画面3 日本におけるLinuxerの総本山「linux.or.jp」 |
Q:どのディストリビューションが一番いいですか?
A:ディストリビューションは、それぞれ特徴を持って作られており、どれも一長一短あります。したがって、Linuxを利用する目的がなにかによってお勧めできるディストリビューションも変わってきます。たとえば、業務用のサーバとしての利用を考えているなら、サポート体制のしっかりしたRed Hat LinuxやTurboLinuxなどが候補になりますし、Linuxというシステムの勉強が目的なら、システムの見通しがよいSlackwareやPlamo Linuxが候補になるでしょう。また、たくさんアプリケーションをインストールして使ってみたいならパッケージ管理機能のしっかりしたDebian GNU/Linux、しっかりした日本語対応を求めるならVine LinuxやLASER5 Linux、さらにWindowsも手放せないならMLD4という具合に、それぞれのディストリビューションが持つ特徴をまず知ることが必要でしょう。
Q:雑誌の付録としても配布されていますが、製品との違いはなんでしょうか?
A:どのようなものを無料で配布するかという方針は、ディストリビューションによって異なりますが、大まかにいって製品版から商用アプリケーションやサポートなどを除いたものが雑誌の付録となっている場合が多いです。ただし、フリーでFTPサイトからダウンロードできるものであっても、機能が限定されているというわけではなく、Linuxシステムが持っている特徴などは製品版と変わりはありません。
Q:パッケージとはなんですか?
A:ある1つのアプリケーションに関連するプログラムや設定ファイル、ドキュメントなどをひとまとめにしたものです。ディストリビューションのことをパッケージと呼ぶこともあるためまぎらわしいのですが、ディストリビューションは、パッケージの集合体ともいえるので、そのように呼ばれるのでしょう。