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米AMD、“x86-64”と“HyperTransport”を米トランスメタにライセンス

2001年05月25日 20時41分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米AMD社は25日(米国時間)、“x86-64テクノロジ”と“HyperTransport(ハイパートランスポート)テクノロジ”に関して、米トランスメタ社とライセンス契約を交わしたと発表した。米トランスメタは将来のチップに両技術を搭載すると見られる。

トランスメタとAMDのロゴ

x86-64技術は、AthlonやPentium 4で使われている32bitのx86命令セットを拡張し、8個の汎用レジスター、8個の128bit浮動小数点レジスターを追加して、64bitのアドレス空間とデータ空間を扱えるようにする技術で、2002年中に投入予定のプロセッサー“Hammer”シリーズに登載する予定。32bitのx86命令と互換性を保ちつつ、64bitのアプリケーションも利用できることが最大のメリットとしている。なお、米インテルの64bitアーキテクチャーである“IA64”は、従来の32bit x86命令セットと互換性がなく、『Itanium』にはx86命令を実行するための回路をIA64用とは別に用意している。

またHyperTransport技術は、以前LDT(Lightning Data Transport)と呼んでいた、パソコンやネットワーク機器内部のチップ接続を高速化するためのI/Oバス技術。最大バンド幅は毎秒12.8GBで、現行最速の毎秒266MBと比較して、最大48倍になるという。HyperTransport技術は、米サン・マイクロシステムズ社、米ヒューレット・パッカード社などのワークステーションメーカーや、米シスコシステムズ社のようなネットワーク機器メーカー、米NVIDIA社、カナダのATIテクノロジーズ社などのグラフィックスチップ/カードメーカーなど、百数十社の賛同を得ている。

トランスメタは独自の省電力技術を使ったx86互換プロセッサー“Crusoe”シリーズをリリースしており、日本ではサブノートなどに搭載されているが、米国やヨーロッパではほとんど採用製品の実績がない。4月19日に発表した2001年第1四半期(1~3月期)決算も、1860万ドル(約22億4000万円)を売り上げたが、1320万ドル(約15億9000万円)の損失を出すなど、現在のラインアップでは大きな利益は望めないだろう。現在出荷しているCrusoe(『TM5400』など)を使ったサーバーも出てきているが、処理能力が限られるため限定された用途向けにとどまると考えられる。トランスメタはx86-64とHyperTransport技術を使い、これまでより高性能で価格の高い(利益率も高い)サーバー向け製品の開発を目指すと予想される。



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