●CPU温度の測定方法
さて、今回のCPUクーラー性能比較におけるテストは、ズバリ、CPUの温度を直接測定する。測定に際しては、以下の機材と方法によって実施したので説明しておこう。まず、CPUの温度は、CPU本体のピン側に温度センサー(サーミスター)を密着させて測定する。【写真1】を見てほしい。ほぼ、ゴマ粒大に等しいサイズのサーミスタを用意した。これを【写真2】の温度計に接続してCPU温度を測定するわけだが、双方を接続する信号線とサーミスタは、【写真3】のように、あらかじめCPUソケットとマザーボードの間に耐熱電線(0.26mm)を通しておいてサーミスタをハンダづけした(信号線の反対側には、温度計に接続するコネクタが既に圧着されていたので)。そして【写真4】に示すように、CPUソケットの内側に発泡シートを詰め込んで断熱し、サーミスタをほぼ中心にセットしつつCPUをソケットに装着した。
【写真1】ゴマ粒程度に小さい温度センサー |
【写真2】市販のデジタル温度計で1秒おきに温度を測定できる |
【写真3】ソケットとマザーの間に耐熱電線を通してセンサーをハンダづけ |
【写真4】CPUソケットの中央は発泡シートを詰め込む |
さて、温度計が反応するだろうか? 【写真5】は、先にセットしたサーミスタを温度計に接続したところであり、室温を示している。この状態からCPUのコアに指からハンドパワー、いや、体温でコアを温めてみると【写真6】のように温度が上昇したので「良し」とした。
【写真5】CPUソケットに仕組んだセンサーと温度計を接続してみる |
【写真6】体温でCPUコアをあたためてみる |
次に発熱側及び測定方法の詳細を述べておこう。CPUやマザーボード、メモリなどは、前回のテストで使用した【表2】の組み合わせを利用している。ただし、CPUには定格電圧より高い1.80VをBIOSセットアップから操作してヒートアップした。そして測定方法に関しては、CPUクーラーごとに、これまた前回のベストパフォーマンスと思われる設定(FSB設定クロック:150MHz、CPU倍率:9倍、内部クロック:1350MHz)において、電源投入からWindows 98 SEがスタンバイするまでに示した瞬間最高温度とSuperπ(1677万桁を指定)を使って約30分間連続計算させながら温度計の表示値を記録し集計した。ただし、最初の2分間は30秒間隔で、以降10分までは60秒間隔、それ以降は、5分間隔で調べている。
測定結果は、次のページに折れ線グラフで掲載した。測定時の室温は、20.8℃から20.4℃へ時間と共に低下していったが、性能結果に影響はないものと判断している。なお、CPUコアとCPUクーラーの間に塗布するサーマルコンパウンドは、条件を統一するためにサンハヤト製シリコンコンパウンド「SCH-20」(【写真7】)を使用した。これは、電子パーツショップで販売されており、800円~1,000円程度で入手可能。また、ケースは、標準的なタワー型を用いたが、サイドパネルは取り外して開放としている。
【写真7】シリコンコンパウンドSCH-20 |
【表2】テスト環境
- | メーカー | 動作設定 |
---|---|---|
マザーボード | MSI K7T266 Pro | FSB:150MHz 倍率:9倍 |
CPU | AMD Athlon1.2GMHz(266MHz) | コア電圧:1.80V 内部クロック:1350MHz |
メモリ | Crucial Technology PC2100 CL2.5 128MB | SDRAM CLK:HCLK CL:2.5 |