「指定したホスト(サーバ)がない」という意味のエラーメール。よく見ると、「nmag-t@ascii.co.jp」とすべきところが、「nmag-t@acsii.co.jp」になっている。差出人を見ると、このエラーメールは、送信時のメールサーバ「ascnm2.ascii.co.jp」によって送られてきていることがわかる |
前述したとおり、インターネットメールでは「人の手」は介在しない。送信したメールに誤りがあったり、途中障害があったりして正常に配送が行なえない場合は、サーバプログラムが設定に従ってその旨を報告するようになっている。こうしたメールがなんとなくぶっきらぼうで、分かりづらそうに思えるのは、機械的に処理されたものだからである。
Returned mailが送られてきたら、着目すべきところは2カ所。1つはそれが「エラーメール」なのか「警告メール」なのかを示す部分、もう1つはReturned mailが送信された理由を示す部分である。メッセージ中に「fatal errors(致命的なエラー)」などとあれば、これは明らかにエラーメールである。配送はすでにあきらめられた状態で、改めて送信しなければ相手に当初のメールを送ることはできない。また、「warning(警告)」とあれば、何かの原因で滞っているがまだ配送はあきらめられていない状態。送信はサーバによってリトライ(再試行)されているので、もうしばらくようすを見ておけばよい。
では、送信したはずのメールがエラーになったり、配送に遅延が生じる原因はなんだろうか? もっともよくある原因として、送信先の指定の誤りが挙げられる。メールアドレスの綴り字を間違えたりしたときだ。この場合は確実に送信エラーが引き起こされるが、原因は自分にあるので解決もしやすい。正しいメールアドレスを指定して、再送信すればよい。一方、自分ではどうしようもないエラーもある。たとえば、障害やメンテナンスの影響で送信先のサーバが長時間止まっていたりした場合や、受信ユーザーのメールボックスの容量があふれていた場合などである。この場合は、配送できないことを先方に連絡し、後日再送信するしかない。他にもメールが正常に配送されない原因はいろいろあるが、詳しい原因と対策は下表を参考にしてほしい。
Returned mailの種類 | 意味 | 対策 |
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User unknown | 「指定したユーザーはいません」 | メールアドレス「user_name@domain_name」の「user_name」部分に指定間 違いがある。または、会社を退職したとか、プロバイダを変更したという理由で本当にユーザーがいない。再送信が必要。 |
Host unknown | 「指定したホストはありません」 | メールアドレス「user_name@domain_name」の「domain_name」部分に指定 間違いがある。特に、「ne.jp」「co.jp」「or.jp」の部分に注意しよう。 |
Service unavailable | 「サービスが無効です」 | メールサーバがサポートしていない操作を行なおうとした。たとえば、規定以上の大きさの添付ファイルを送ろうとした場合など。再送信が必要。 |
Too many hops xx (yy max) | 「xx回のホップは多すぎます(最大yy回)」 | ホップとは、メールサーバ同士のメールのやりとりのこと。この場合は転送指定に誤りがあり、2つのサーバ間で互いに転送しようとしている。転送の指定に無限ル ープがないか確認。 |
Mailbox full | 「メールボックスがあふれました」 | 送ろうとしているユーザーのメールボックスが容量を超えている。相手がメールをダウンロードするまで待つか、電話で教えてあげよう。 |
Relay operation rejected | 「リレー操作が拒絶されました」 | 指定のネットワーク以外からメール送信しようとした。たとえば、A社のネットワークログインで、B社 のSMTPサーバを使ってメール送信しようとした場合など。他社のSMTPサーバを使って送信しないようにする。 |
Cannot send message within 5 days | 「5日経ちましたがメッセージが送れません」 | 送信先サーバのダウンなどの理由で配送できない。「5 days」は「3 days」「1 week」などになるときもある。また、「days」が「hours」となり、「warning」が付くときも。この場合は、「…時間経ちましたが送れません」という意味で、リトライ中を表わす。 |
Return receipt | 「受領を返信します」 | 送信者が「Return-Receipt-To」フィールドを付けている場合、受信サーバが受領確認として戻すReturned mail。配送の確認ができる。ただし、すべてのサーバがこの機能をサポートしているわけではない。また、これはサーバが受信した旨を返信するもので、相手がメールを読んだことを知らせるものでもない。 |