「Prius Navistaion」の強化により
さらに便利さの増したTV機能
Prius Deck 750Tのマルチメディア機能の心臓部ともいえる「Prius Navistation」。TVにビデオ、DVD/オーディオCDプレーヤなどの操作を一手に引き受ける統合ソフトだ。 |
TV機能を筆頭とするマルチメディア機能のコアとなるのは「Prius Navistation」という統合ソフトだ。これは、タイムシフト視聴、HDD録画といったTV/ビデオ機能、DVD-VideoおよびオーディオCDの再生(DVD-Video再生については「ドルビーヘッドフォン」対応)、ADAMS EPGデータを利用した番組検索や録画予約、映像(動画および静止画)や音楽コンテンツの再生や管理を行うマルチメディアデータライブラリが一体となったものだ。今回のモデルに搭載されているバージョンでは、TV/ビデオ機能の新規機能として、(1)タイムシフト再生を使用しないTV視聴モード「ミニテレビ表示」の追加、(2)録画した映像のサムネイル(静止画)表示によりファイル選択時の操作性を向上、(3)ADAMSやbitcastのデータ放送(EPGによる番組情報以外の、ニュースや天気予報、生活関連情報など)を本ソフト上で表示可能、といった機能拡張が行われている。従来のPrius Deckシリーズのテレビ視聴は、テレビを見るときには常にタイムシフト機能が働くためにHDDアクセスが続き、ほかのアプリケーションを使いながらテレビを見る場合は、多少ストレスを感じることがあった。今回追加されたミニTV表示では、単純にTV番組をウィンドウ内にオーバーレイ表示するだけなので、こういったストレスはまったく感じなくい。PCを使いながらTVも見たい、というユーザーにはありがたい機能だ。
プリインストールソフトは、Office 2000 Personal(SR-1)、「ホームページ・ビルダー Ver.6」(iモードサイト作成機能やサンプルページの一部などが省略されたバンドル専用版)、DV編集ソフト「MotionDV STUIDO」、CD-R/RWライティングソフト「Easy CD Creator 4 スタンダード版」、パケットライトソフト「Direct CD」、電子百科事典「世界大百科事典 第2版」のほか、タッチタイプ練習ソフトや携帯電話のメモリ編集、テーブルゲームなど、実用からホビーまで幅広いジャンルのソフトが付属する。ハードウェア面だけでなく、ソフト面においても、TVやDVDを見たり録画するといった「受け身」な使い方だけではなく、外部の機器などから取り込んだ素材を「加工」する、加工したデータをCD-RやDVD-RAMに「残す」といったクリエイティブな用途にも活用できる構成だ。
お勧めWebサイトのブックマーク集&ランチャソフト「わくわくナビ」。各項目のカスタマイズも可能だ。 |
これだけ豊富な機能とソフトをもったマシンだと、特に初心者には「何をするときにどれを使えばいいのかがわからない」という疑問に直面することもあるかもしれない。そんな悩みを解決するのが、Priusシリーズの定番ソフトのひとつ「わくわくナビ」だ。これは、お勧めWebサイトのブックマーク集とともに、「どんなことをしたいときに、どのソフトを使えばいいのか」も教えてくれるガイドブック的な役割も持ったランチャソフトだ。メニュー形式の画面で“やりたいこと”“調べたいこと”などを一覧から選択していくと、各カテゴリにマッチした登録済みのWebサイトや内蔵アプリケーションが表示、起動して、簡単に希望のアクションが取れる、というものだ。PCを使いこなすための第一歩としてぜひとも活用したい。
価格はオープンプライスで、実売価格は40万円前後と予想される。DVD-RAMもCD-RWも使えるゴージャスな光ディスクドライブ構成、TVチューナ内蔵のマルチメディアモニタ付属、使い勝手が向上した充実のTV機能、さらにさまざまなニーズに応える豊富なプリインストールソフト群と、非常に盛り沢山な内容を持つ。富士通やNECなどのTV機能付きデスクトップ機と価格だけを単純に比較するとかなり高価な印象を受けるが、全体の性能と仕上がりを考えれば、この価格にも十分納得できる。各機能の使いやすさやスペックの満足度も考えると、高価なマシンではあるが、初心者にも強くお勧めしたい製品だ。
なお、本機と同時に発表された春のPrius Deckシリーズのラインナップは以下のとおり。
- 「Prius Deck 750T(750T5SV)」(PentiumIII-866MHz、DVD-RAMドライブ+CD-RWドライブ、60GBのHDD、128MBのメモリを搭載し、15インチTFT液晶モニタがセット)
- 「Prius Deck 750T(750T5SW)」(PentiumIII-866MHz、DVD-ROMドライブ+CD-RWドライブ、60GBのHDD、128MBのメモリを搭載し、15インチTFT液晶モニタがセット)
- 「Prius Deck 550T(550T5SW)」(TV機能と本体前面のサブディスプレイを省略、PentiuIII-866MHz、60GBのHDD、64MBのメモリ、DVD-ROMドライブとCD-RWドライブを搭載し、15インチTFT液晶付属)
いずれのモデルもOSはWindows Millennium Editionで、Office 2000 Personalをプリインストール。価格はすべてオープンプライスで、実売価格は、750T5SVが32万円前後、750T5SWが28万円前後、550T5SWが25万円前後と予想される。全シリーズ中で一番の推薦モデルは、やはり豊富な内容がひとまとめになった最上位モデル(今回レビューした機種)。だが、40万は予算的に厳しいということであれば、液晶モニタにTV機能(TVチューナ)が付いておらず、CPUとHDDのスペックがやや落ちるものの、8万円安い750T5SVがお勧めだ。
Prius Deckシリーズで最も低価格なモデル「Prius Deck 550T(550T5SW)」。TVチューナは持たず、DVD-ROMドライブとCD-RWドライブのダブルドライブ構成となっている。付属の15インチTFT液晶とはデジタル接続(コネクタはDFP15ピン。「750T5SV」と「750T5SW」も同様)。 |
CPU | PentiumIII-1BGMHz |
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メモリ | 128MB |
ビデオ | RAGE Mobility-M4x |
HDD | 100GB |
DVD-RAM | DVD-ROM6倍/DVD-RAM読み出し2倍/DVD-RAM書き込み2倍 |
CD-RW | R8倍/RW8倍/CD32倍 |
通信 | モデム/LAN |
OS | Windows Millennium Edition |
モニタ | 15インチTFT |
Officeアプリ | Office 2000 Personal(SP-1) |