他社に先駆けてタイムシフト機能持ったTV機能を搭載してきた日立「Prius Deck(プリウスデッキ)」シリーズ。2001年春モデルの最上位機種「Prius Deck 750T(750T5PV)」は、DVD-RAMドライブとCD-RWドライブのデュアルドライブ構成、PCから独立して使えるテレビチューナ内蔵のマルチメディア液晶「Prius View」付属、などのリッチなスペックを継承しつつ、最大の特徴であるTV機能にもさらに磨きをかけている。
DVD-RAM＆CD-RWにマルチメディア液晶
贅を尽くしたハードウェア構成
今でこそ国内主要メーカーの多くがTVチューナカード搭載のデスクトップPCを多数ラインナップに加えてきているが、このブームに先駆け、いち早くタイムシフト視聴可能なTV機能を搭載してきたのが、日立製作所の「Prius Deck」シリーズだ。2001年の春モデルは、全ラインナップが省スペースデスクトップ＋液晶モニタという構成になり、同社の十八番だった液晶一体型には新規モデルの追加はない。ここでは、シリーズ最高峰「Prius Deck 750T(750T5PV)」を紹介する。
CPUにはPentiumIII-1BGHzを採用し(前モデル「Prius Deck 750S」では同-866MHz)、合計100GBのHDD(60GB＋40GBの2台構成で、40GB分は主にTV機能が使用)、128MBのメモリを搭載する。最近のデスクトップPCでは、DVD-ROM＆CD-RWコンボドライブや、DVD-ROMドライブとCD-RWドライブを各1台搭載するマシンも多いが、本機では、DVD-RAMドライブとCD-RWドライブの2基構成だ。DVD-RAMドライブのスペックは、DVD-RAM読み出し／書き込み2倍速(4.7MBメディア使用時)、DVD-ROM読み出し6倍速、CD-ROM読み出し24倍速と前モデルと同スペック、CD-RWドライブは書き込み／書き換え8倍速、CD-ROM読み出し32倍速となっており、こちらは書き換え速度が向上している。TV機能を持つマシンでは、HDD上に録画した映像の保管先が悩みの種になるところ。しかし本機では、2台のHDDを搭載することによるゆとりのあるHDDスペース、2台の光ディスクドライブを搭載することで、CD-R/RWだけでなく4.7GBの記憶容量を持つDVD-RAMも利用可能である。本体内部の空間的な制約の多いスリムデスクトップ機ながら贅沢な「データの保存先」が用意されている。これは、映像を扱うマシンには非常に嬉しいところだ。
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| 本体内部。スリム筐体の中に合計4台のドライブが詰め込まれている。PCIスロットは2スロット空きがあり、カード長140mmまでのカードが取り付け可能。 |
ビデオチップは前モデルと同様に「RAGE Mobility 128-M4x」(ビデオメモリ8MB内蔵)で、付属の液晶モニタに最大1024×768ドット／フルカラー表示が可能だ。この付属モニタは、単体でも発売されている「Prius View」(オープンプライス、実売価格17万円前後)で、TVチューナも内蔵したマルチメディア液晶だ。入力端子は、PC用のアナログRGB入力端子、S-VIDEO／コンポジットまたはD1／コンポジットの2系統の映像入力端子(それぞれステレオ音声入力を装備)、地上波およびCATV放送用のアンテナ入力を持つ。このマルチメディアモニタとPC本体側のTV機能を組み合わせれば、裏番組録画もでき(PCではHDD録画を行い、モニタのチューナでは別のチャンネルを見るなど)、TVチューナ機能内蔵PC＋PC用モニタという構成のマシンよりも、「TV＋ビデオデッキ」という環境に近い利用方法が実現可能だ。液晶パネルは、「スーパーピュアカラー液晶」というTFT液晶。視野角は水平・垂直方向170度と非常に広く、これに加えて、ダイナミックガンマ補正（映像により動的に色補正を行う機能）によるメリハリのある画面、PC用モニタとしては珍しい3次元Y/C分離（輝度信号と色信号を水平・垂直・時間軸の3方向に分離し、映像ノイズを低減する、高性能テレビでは一般的な技術）といった技術が盛り込まれており、画質、機能ともにハイレベルな液晶モニタだ。
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| 付属の液晶モニタ「Prius View」の端子部分。コンポジットとS-VIDEO、さらにD1映像入力まで持つ。PC本体との接続がアナログなのがやや残念ではある。 |
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| 本体前面および背面。前面中央部のドットマトリックス液晶「小型サブディスプレイ」は、選択中のTVチャンネル、DVDやCDのトラック、メールの着信および着信件数などの情報が表示される。 |
