タイピングソフト「特打」シリーズで知られるソースネクストは、「特打ヒーローズ」と名付けられた新シリーズの第1弾「宇宙戦艦ヤマト~タイピング波動砲」を12月6日に発売する。価格は4900円で、劇場版「さらば宇宙戦艦ヤマト」と劇場版「宇宙戦艦ヤマト2」の名シーンを、タッチタイピングを習得しながら楽しめるお得な1本だ。
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「吠えろ! 波動砲」からのひとコマ。ヤマトへの被弾で、文字入力ウィンドウまでが見えなくなるのがおもしろい。 |
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こんなふうに突然映像が挿入される。この強引さがファンにはたまらない。映像終了後に、打鍵途中の単語が何だったか忘れてしまうところが難だ。 |
このタイトル、タッチタイピングソフトというよりは、タイピングによってシナリオを進行させていく新手のエンタテインメントソフトといったほうがいいかもしれない。特に最初の作戦「吠えろ! 波動砲」は凄い。シナリオは、ゴーランド提督率いるテレザード星防衛艦隊の攻撃でヤマトが撃破される前に、タイピングで波動エネルギーを充填せよ、というサブタイトルどおりのストーリーが展開される。が、通常のタイピングソフトのように、与えられた言葉をカタカタ打っていると、突然、劇場版の映像やCGムービーが挿入され、入力を強制的に中断されられてしまうのだ。しかも、その映像というのが“土方艦長の「波動砲よおい」”といった、文字どおり精選された名シーンばかりなので、自然と意識が映像のほうに向いてしまい、キータイプへの集中力が薄れがちになってしまう。濃度の高い「ヤマト」ファンであれば、それこそキータイプどころではなくなるのではないか。それでいて制限時間はかなりシビアなので、油断すると上級者でも危うい。この映像優先型(?)のタイピングシステムには度肝を抜かれたが、おもしろさは抜群。エンタテインメント性を重視しているところが「特打ヒーローズ」シリーズのウリのようだ。
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まずは本編の前に真田教官のレッスンを楽しもう。声は本作向けの完全オリジナル。相変わらずいい声してます。 |
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これが実際のレッスン画面。指定の指でキーを叩き、ホームポジションを覚えることを目的としている。 |
ちなみに本作は、同社のカテゴリでは「タイピング上達」となっており、「タイピング習得」が済んだ人向けのタイトルとなっている。モードは、真田志郎教官によるキーボードレッスンと本編のふたつ。本編では、あれほど素早いキー入力を要求するのに、レッスンではゆっくり打っても間違えさえしなければ「訓練の成果が出ているな。完璧だ」と真田教官が誉めてくれる。が、実際の本編の難易度はタッチタイプが完全にできる人でないとクリアはまず不可能、といえるハイレベル。その意味では、レッスンもあまり練習とはいえず、「まぁそんなものか。実戦にはほど遠いがな」「おいおいどうなっているんだ? 訓練生からやり直せ!」といった本作オリジナルのセリフを聴くためのファンサービスモードという意味合いが強いようだ。
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これが初期画面。どこをクリックすればいいかわからなければ、まずヒロイン森雪をクリックしてみよう。 |
セリフについては、プレイモードを決める初期画面「第一艦橋」では、主人公の古代進(声:山寺宏一、ムービーシーンはオリジナルの富山敬)が「コスモレーダーに異常は? 雪?」とひとりごちしていたり、チュートリアル役のヒロイン森雪(声:麻上洋子)が「五代君をクリックするといよいよヤマトが戦闘に入るわ」と、あの声で各モードの説明をしてくれるなど、なかなか凝っている。
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劇場版最大の見せ場であるデスラー総統との一騎打ちが、タイピングソフト化されるとこうなる。森雪のためにキーを叩け! |
ここまで読むと「劇場版の映像が見られるタイピングソフトか」と思うかもしれないが、実は一番開発に力を入れているのは3DCGによるムービーシーンだ。主砲や機関砲の発射シーン、ヤマトの被弾シーン、それから敵艦隊が波動砲に呑み込まれるお馴染みのシーンなど、パノラマ的なシーンはすべて本作のために作られたCG映像が使われている(波動砲の発射シーンだけは劇場版を使用)。これがかなり見応えがあって、ついついキー入力を忘れてしまう。加えて、この映像の一部CG化にともない、効果音も新しくサンプリングされており、迫力も抜群である。
最後にプレイ中やや気になった点を挙げておくと、「鯵」「鰊」といった難読文字の問題が結構頻繁に出るのに、読みが表示されないこと。しかし、これを読むのも一種のゲームだと割り切れば、おもしろい趣向のひとつといえるかもしれない。「ヤマト」なら何でも許せる貴方にお勧めの1本である。
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ハイクオリティのCGムービー。文字入力を制限時間内に済ませ、対空砲で敵機を撃墜しているシーンだ。 |
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こちらはヤマトが被弾したときのムービー。動作環境はPentiumII-300MHz以上となっているが、これはあくまでも最低環境。スムーズに動かすためにはPentiumIIIクラス以上の環境が欲しい。 |
開発元 |
ソースネクスト(株) |
発売元 |
開発元に同じ |
対応OS |
Windows 95/98/Me/NT 4.0(SP3以上)/2000 |
CPU |
PentiumII-300MHz以上 |
メモリ |
64MB以上 |
ビデオ |
800×600ドット以上/フルカラー |
HDD |
650MB以上 |
CD-ROM |
2倍速以上(起動時必須) |