リファレンスボードのハードウェア仕様
FSBとSDRAMクロックはフレキシブルな設定が可能
さて、リファレンスボードのハードウェア仕様を見ていこう。拡張スロットは、AGPスロットが1本、PCIスロットが2本、そして、PCIスロットの下にPCIスロットを逆さまにしたスロットがあるが、これはACR(Advanced Communication Riser)スロットだ。ACRは、AMDなどが提唱するライザーカード規格で、オーディオ、モデムのほか、HomePNAやLANなども追加可能にしたもの。オーディオ、モデムのみのライザー規格であったAMR(Audio Modem Riser)とは互換性を保つが、Intelが推進するCNR(Communication and Networking Riser)とは互換性はない。PCIと同じコネクタを向きを変えて利用しているのはコスト削減のためだが、PCIカードもすんなりと入ってしまうので注意が必要だ。
また、AC'97オーディオコーデックとして「CS4201」をオンボード実装しており、オーディオ機能を利用可能にしている。SiS730SのLAN機能を利用するためには物理層チップを実装する必要があるが、本ボードには物理層チップ用のレギュレータやクロックジェネレータ、RJ45コネクタが実装されているにも関わらず、肝心の物理層チップは実装されていない。このあたりはいかにも評価用ボードといった印象だ。DIMMソケット脇のディップスイッチで各種クロックを設定でき、FSB200MHzの時にSDRAM133MHz、FSB266MHzの時にSDRAM100MHz、FSB200MHzのときにSDRAM66MHzなど、FSBとSDRAMのクロックは、かなりフレキシブルに設定できるようだ。ビデオメモリとして使うメインメモリ容量は、BIOS上で、8/16/32/64MBの4通りから選択できるようになっている。
また、SiS730SはISAバスのサポートはない。i8xx系チップセットと同様、FDDコントローラやキーボードコントローラ、シリアル、パラレルといったレガシー機能は、LPC(Low Pin Count)インターフェイスのスーパーI/Oチップ「W83697HF」(Winbond製)で提供している。
SiS730S。メモリ、ビデオ、PCI、IDE、AC'97、LANといった、マザーボードに必要とされるほとんどの機能をこのワンチップに内蔵している。 |
ボードの背面にシルク印刷されたディップスイッチの設定表。 |
POWERスイッチとRESETスイッチはあらかじめボタン化されている。リファレンスボードらしい仕様だ。 |