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SiS730Sリファレンスボード

SiS730Sリファレンスボード

2000年12月03日 14時04分更新

文● 丸尾

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まずまずのパフォーマンス
早期の量産出荷を期待

 今回の結果を見る限り、SiS730Sは、VIAのApollo KT133に比べると全般的に性能が1ランク劣るという結果となった。メモリのリード性能の低さがアプリケーションレベルでも反映されているようだ。サンプル段階でのこういったことはいくつか前例もあり、BIOSのチューニング程度で改善される可能性は大いにある。製品化までに改善を期待したいところなのだが、この状態でも同クロックのCeleronシステムには大きな差をつけているという事実も興味深いところ。Duronが順調にクロックを上げている現状では、仮にチップセットの性能がこのままでも、Duronの高性能で補ってあまりあると言えるかもしれない。内蔵ビデオ利用時でも、KT133+GeForce256 DDRに比較してビジネスアプリでの性能ダウンは10%以下にとどまっており、こうしてみれば、このままでもまずまずのパフォーマンスと言えるだろう。

 性能面以外のインプレッションとしては、まず、全体的な動作は非常に安定しており、セットアップなどで特につまづくようなことはなかったし、テスト中にハングアップしてしまうこともなかった。また、画質は、同一ビデオエンジンを利用しているPentiumIII/Celeron用チップセット「SiS630」などと同一の傾向。サッパリとした鮮やかな系統の色味で、深みなどといった微妙さはないものの、印象は悪くない。RAMDACのドットクロックが270MHzということで、最良の画質が得られるのは1024×768ドット/32bitカラーまでだろうが、1280×1024ドットまでなら実用上良好といえるレベルだろう。使用ビデオメモリをユーザーが選択して設定できることもあり、i81x系よりは高解像度での使用に耐えそうだ。

 このSiS730Sの魅力は、なんといってもワンチップに多くの機能を統合している点。安価にPCが作れるというだけでなくチップや配線の占有スペースも節約できるため小型マザーボードの設計も容易だ。最近はDIY市場の一部でもFlexATXの省スペースPCが流行しており、そういったシステムに利用するCPUとして、CeleronのほかにDuronを選択肢に加えることができるようになる。現在Celeronの最高クロックは766MHzで実売価格1万9000円前後といったところだが、Duronは800MHzで1万3000円前後、CPU単体のコストパフォーマンスの差は歴然としている。SiSが昨年建設した自社Fabがなかなか本格稼働に至らないことから8月末の正式発表からはずいぶんと時間が経ってしまったが、早期の量産を期待したいところである。

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