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K7SEM(サムライの浮気)

K7SEM(サムライの浮気)

2001年04月20日 00時51分更新

文● 鈴木雅暢

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K7SEM(サムライの浮気)

ECS/日本エリートグループ

オープンプライス(1万1000円前後)

最近日本市場での活躍がめざましいECS(Elitegroup Computer Systems)。日本市場向け製品の企画にも余念がないが、今度はマザーボードに「サムライの……」というニックネームをつけるという作戦に出た。その「サムライ」シリーズの中でも人気の高い「K7SEM(サムライの浮気)」を紹介しよう。

SiS730搭載でコンパクトながら多機能
MicroATXオールインワン

 とにかく価格の安さではどこでも負けない、コストパフォーマンスの高いマザーボードの製造を得意とするECS。そのECSが最近発売したMicroATXフォームファクタのマザーボード「K7SEM」は、Athlon/Duron用の統合チップセット「SiS730S」を搭載している数少ないボードの1枚。しかもこのボードは、「サムライの浮気」というユニークなニックネームがつけられている。

 この「サムライの……」というニックネームは、ECSの日本法人である「日本エリートグループ」が独自につけたもので、他には「サムライの魂」と名付けられたApollo KT133Aボード(K7VZA v3.0)や「サムライの息吹」こと「P6IPA」(i815EP搭載ボード)などがある。基本的に「サムライ=日本」というイメージから来ているが、このK7SEMは、SiS730Sチップセットを搭載しているということで、「IntelやVIAチップセットのユーザーがSiSチップセットへ、また内蔵VGAから外部AGPへ、浮気(移行)をしたいと感じられる魅力を持つ」ということから「サムライの浮気」と名付けられたという。



North BridgeとSouth Bridgeの機能、ビデオ、サウンド、LANなど、非常に多くの機能をワンチップに統合した統合チップセット「SiS730S」。
 SiS730Sは、SiS(Silicon Integrated Systems)が開発した、Athlon/Duron用の統合チップセット。ビデオカードの機能に加えて、2チップ(North BridgeとSouth Bridge)で構成されるのが一般的なチップセットの機能をワンチップで提供するのが最大の特徴。また、統合チップセットながら外部AGPインターフェイスを持つ。この点ではi815Eに似ているが、ターゲットはあくまでもローエンド向け。Duronを利用した低価格&省スペースPCを容易に設計できるチップセットとして、VIAの統合チップセットであるApollo KM133とともに期待されている。 FSB266MHz、PC133 SDRAM、AGP 4x、UltraATA/100に対応。AC'97オーディオ、LAN、モデム、USB(6ポート)のコントローラも内蔵する。ちなみに、ソニーの入門用デスクトップ「VAIO PCV-J15V5」のマザーボードにも、このSiS730Sが採用されている。



LANのポートは背面パネルにはないため、付属のブラケットで増設する。
 さて、ボード固有の仕様をみていこう。FSBは200/266MHzに対応、メモリはPC100/PC133 SDRAMに対応するが、FSB266MHzのCPUを利用する時にはPC100 SDRAMは利用できない。拡張スロットの構成は、AGPスロットを1本、PCIスロットを2本搭載する。このAGPスロットは、Nvidia製チップを搭載したAGP 4x対応のビデオカードのみのサポートとなっている。ボードの機能を拡張するためのライザーカードを差すスロットとして、AMRとCNR両方を備えており、構成のフレキシビリティは高い(もっとも、これらのライザー規格はエンドユーザーにとってはほとんど関係ない)。



FSBやSDRAMのクロック、そしてビデオメモリの量など、各種設定はすべてBIOS上で行える。
 FSBクロックの設定や、SDRAMのクロックを100MHzにするか133MHzにするかなどといった各種設定はBIOSで行えるため、基本的にジャンパピンでの設定は不要。また、チップセット内蔵のビデオ機能は、メインメモリをビデオメモリとして利用するが、使用する容量はBIOSで、8/16/32/64MBの4通りから選択できる。また、AC'97コーデック「ALC100P」(Avance Logic)を実装、SiS730Sが内蔵するAC'97オーディオ機能を使用可能にしている。SiS730SはLANコントローラも内蔵しているが、本ボードでは別途Realtekの「RTL8139C」を実装、LAN機能を提供している。ただし、LANのポート(RJ45)は背面パネルにはなく、ボード上の端子からブラケットで引き出すようになっている。

 本ボードの魅力は、コンパクトながら、ビデオ、オーディオ、LANといった多機能を盛り込んでおり、しかも安いこと。マニア的視点から言えば、IntelでもVIAでもないSiSのチップセットを搭載しているという点も新鮮だろう。ローコストにマシンを組むのにはもってこいで、たしかにちょっと「浮気」をしたくなるような魅力を備えたマザーボードである。


製品名 K7SEM
チップセット SiS730S(SiS)
メモリソケット DIMM×2
拡張スロット AGP×1、PCI×2、CNR×1(PCIと共用)、AMR×1
FSBクロック(SDRAM100MHz) 100、103、105、110、112、133MHz(BIOS)
FSBクロック(SDRAM133MHz) 100、103、133MHz(BIOS)
CPU コア電圧 自動
CPU I/O電圧 自動
BIOS AWARD(BIOS)
ボードサイズ 244×220mm
問い合わせ先 日本エリートグループ(株)
http://www.ecsjpn.co.jp/

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