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EDiCube TP830AV

EDiCube TP830AV

2000年11月20日 14時11分更新

文● 伊藤裕也

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「DV Edit」モードでは、タイムラインにビデオクリップなどの各種データを配置していくことでビデオタイトルを構築できる。

 一方、DV Editモードは、タイトルの挿入やBGMの付加、ビデオトラックに対する特殊効果の挿入など、DV Deckモードで対応できない複雑な処理を行う場合に使用する。

 DV Editモードの編集スタイルは「Adobe Premiere」や「Ulead MediaStudio Pro」など、代表的な動画編集ソフトと同じタイムラインベース(横軸に時間のゲージが表示され、その上にビデオクリップなどを置いていくタイプ)で、ビデオクリップやタイトルの表示・再生に関するタイミングは、フレーム単位で調整できる。トラック構成はビデオ・オーディオともに最大99トラックで、ビデオトラック側の先頭2つ(V1/V2)に関しては、互いのビデオクリップのつなぎ目に特殊な映像効果を付加できる「トランジションエフェクト」を適用可能だ(ほかのトラックはすべてスーパーインポーズ用)。

 DV Symphomovieで使用できるトランジションエフェクトは「ワイプ」「クロスフェード」「クロスストレッチ」など合計32種類で、フィルタについてはビデオが「コントラスト・明るさ」「RGB色調補正」「ガンマ補正」「モノクロ」の4種類、オーディオは「パン」「エコー」の2種類となっている。このほか、特定のビデオトラックのスクリーンを拡大・縮小したり、動きを付加できる「モーションの適用」や、「テロップエディタ」によるタイトルの作成・表示も可能だ。

 実際の使用感だが、ビデオクリップをはじめとする各種クリップのビデオトラックへの流し込みはドラック&ドロップの簡単操作で、プレビューも軽快に動く。ただし、トランジションエフェクトの適用やスーパーインポーズの挿入などで映像に変更が生じるシーンは、その部分のみ表示がぎこちなくなる。レンダリングを要する部分だけに、ソフトウェアCODECではレスポンスの低下は致し方ないだろう。このような場合は該当するシーンをレンダリングし、キャッシュファイルを作成すればいい。すると次回からは、自動的にキャッシュファイルの内容が表示されるようになる。このキャッシュファイルは、DVCへの出力時にも使用可能で便利だ。

 レンダリングということで、参考までにワイプとクロスストレッチのレンダリングに要した時間もお知らせしよう。まず、ワイプは2秒間のレンダリングに17秒、4秒間のレンダリングでは36秒を要した。続くクロスストレッチは2秒間で20秒、4秒間で39秒ほどかかる。実際にビデオタイトルを作成するうえではさらにタイトルが入ったり、トランジションエフェクトもさまざまなものが多数入るため、レンダリングが数分で終わることはまず考えにくい。それだけに、DV Symphomovieのキャッシュファイルシステムはかなりありがたい存在といえるだろう。



TP830AVに標準搭載されている各種カード。上から順に、IEEE1394、LAN、モデムカード。

 価格は標準構成で11万4800円。これはディスプレイレスモデルの価格だが、ほかに15インチディスプレイ付きの「TP830AV-15」が13万1800円、17インチディスプレイ付き「TP830AV-17」が13万9800円で用意されている。TP830AVのベースであるTP820Rの価格が9万9800円であることを考えれば、コストパフォーマンスはすこぶる高い。特に、DV Symphomovieはフィルタの数こそ前述の動画編集ソフトより少ないが、モーションの適用をサポートし、トランジションエフェクトの動作でもフェーダーによる微調整に対応するなど、絵を作る機能に関しては安価な市販ソフトを軽く凌駕するほどの実力を有している。これからビデオ編集を始めてみようと考えている人には、有効な選択肢となるだろう。



本体内部。HDDは縦にして前方に固定する。
HDDベイは、指一本でレバーを持ち上げると取り出すことができる。HDDの追加増設も楽々だ。
CPU PentiumIII-800EBMHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 30GB
CD-RW&DVD-ROM R12倍速/RW10倍速/DVD8倍速/CD32倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
モニタ オプション
Officeアプリ

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