TVチューナ内蔵のMPEG2リアルタイムエンコーダカードを標準装備し、TV番組を観たり録画したり、PCに取り込んだ映像素材を思いのままに編集して遊べるビデオデッキPC「VAIO PCV-Rシリーズ」が、新筐体を採用し「PCV-RXシリーズ」へと進化した。
シャープな新筐体を採用したVAIOシリーズのトップエンドモデル
曲面を多用したPCV-Rシリーズとはうって変わり、直線を基調にしたシャープなデザインへと変更されたPCV-RXシリーズの最上位機種が「PCV-RX70K」だ。TVチューナ内蔵MPEG2リアルタイムエンコーダカードを標準で搭載し、TV番組や外部入力したアナログ映像をMPEG1/2でHDD録画できるほか、i.LINK経由でDV映像も取り込めるという、映像素材を自由自在に操れるビデオデッキPCである。
直線を基調としたシャープなイメージの新筐体を採用するPCV-RXシリーズ。FDDおよび下部のPCカードスロットや各種端子類にはカバーを設け、非常にシンプルなフロントマスクを持つ。 |
ハードウェアスペックはCPUにPentiumIII-1BGHzを採用し、標準で128MBのメモリを搭載する。ビデオカードは前モデル「PCV-R73K」のTNT2 Proを搭載するASUSTeK製「AGP-V3800」から、GeForce2 MX搭載の同「AGP-V7100」へ変更されるなどの強化が図られている。HDDは、ビデオ録画をウリにするPCらしく標準で60GBの大容量がおごられており、MPEG2の高画質モード(8Mbps)で約15時間15分、標準モード(4Mbps)で約30時間、MPEG1のVIDEO-CD互換モードでは約82時間、DVストリームをそのままキャプチャしても約4時間分の動画が保存できる。さらに録画した映像を保存しておくために不可欠なCD-RWドライブに加え、映像を楽しむPCらしくDVD-ROMドライブも標準搭載するなど、VAIOシリーズのトップエンド機種にふさわしいスペックを誇っている。またマザーボードは、PCV-R73Kに搭載されていたi815チップセット採用のものとレイアウトなどはほぼ同じだが、型番が変わっており、AC'97対応のオーディオコーデックチップがヤマハ製「YMF743-S」に変更されるなどの若干の違いが認められる。
新型のシャーシも、PCIスロットと内部3.5インチベイにそれぞれ1つずつしか空きがない密度の高い構成となっている。筐体カバーや電源、各種ドライブ類の固定にはレバーによるロックを多用し、ハードウェアの増設や交換が行いやすくなっている。 |
RX70Kの心臓部とも言えるTVチューナ内蔵MPEG2リアルタイムエンコーダカードは、PCV-R73Kから採用された、PC用モニタ上でも解像感が高くノイズの少ない映像を再現できる3次元デジタルノイズリダクション回路とインターレース補間フィルタ機能が追加された第2世代のものを引き続き搭載する。MPEG2の高画質モード(8Mbps)の録画でも、PC用モニタに全画面表示するとシーンによってはコームノイズが目立ち、エッジのジャギーが目につく場面もあるが、テレビに出力した場合はVHSの標準モードに十分対抗できる画質を持っている。
ビデオカードは、DVI-DのデジタルLCD用端子も装備するASUSTeKの「AGP-V7100」を採用。手前のTVチューナ付きMPEG2リアルタイムエンコーダカードは、ドータカードとしてDVとアナログ映像の相互変換を行うメディアコンバータを搭載している。 |